ホラー設定

2006年10月12日 妄想
 妄想七変化。

 ・何処かに閉じ込められよう
 ・ひとりずつ消えよう

・鎌谷 健志 カマタニ ケンシ (十五)

 ・無邪気
 ・悪く言えばガキ
 ・活発的
 ・運動得意
 ・考えずに行動する
 ・が、勘は鋭い
 ・裏表なし
 ・主人公っぽいが特別扱いしない
 ・短髪、Tシャツ、短パン、運動靴

・天本 悠季 アマモト ユウキ (十五)

 ・冷静
 ・大人びている
 ・冷めている
 ・現在はケンシのみ、信頼している
 ・両親は他界 (ユウキは両親を尊敬している) 現在親戚の家
 ・頭脳明晰 IQ200のヒトの思考ってIQが普通のヒトにはわからないですよね
 ・病持ち 激しい運動×
 ・小学生とは思えない言動、思考
 ・人間関係も考え、自分を抑え、円滑にしている
 ・嫌味なキャラっぽいが両親の影響でかなりいいヤツの予定
 ・夏でも長袖、長ズボン、長髪、(白髪)

・舘 弓子 タチ ユミコ (十五)

 ・ケンシの隣の家に住んでいる。幼馴染。ありがちだ。
 ・そしてケンシを見ている。ケンシは勿論気付いていない。ありがちだ。
 ・幼い頃から弓を習っている。ありがちではないがそれがどうした。
 ・なので肝は据わっているほう。あくまで女子の平均値から。
 ・

 いつのまにかこんな時間、随時編集予定
友達の黒部君が連れてきた薄気味悪い中年の指示に従って右腕を伸ばすと、何かが手に触れた。

その時、世界が揺れた。
僕が掴んだソレは物凄い勢いで僕を吸い込もうとした。
また吸い込まれるのを堪えるように、地面が、校舎が、世界が揺れている。
右腕がちょっと白く光ってきた。
甲高い振動音が耳から脳へあがってくる。
眼も開けていられない。

「掴んで」

言われるまま、流れのままにソレを掴む。
このままでは、ソレに吸い込まれると考えた僕は、ソレを掴み、

引き抜いた

すぽん!

小気味いい何かが抜ける音と共に、
ズ、と一瞬で全てが吸い込まれた。

大半の人々は「皮」を吸い取られて黒い影になった。
それは脱皮にも似ていた。
次々に人々が黒い影になった。
今まで人を人に保っていた「皮」と空の青は全てその何かが抜けた場所に吸い込まれていった。
青が消えた後、空には代わりに赤が広がっていた。
これが世界の本当の色だよ、と言うように。
今の世界のカタチができあがった。

僕は幸い、「皮」が剥がれなかったようだ。
人の姿のままだった。
黒い影になるのを間逃れた人間も稀ではあるがいた。

そして黒い影、いや、それはまるで色々な絵の具を混ぜて最終的にできる黒。
言わばぐちゃぐちゃに汚れた黒色の影は、色が有り、動くものを襲うようになった。

薄気味悪い中年と友達の黒部はいつのまにか消えていた。
そして現在に至る。

清らかな友情

2006年3月30日 妄想
どうやら僕はイジめられているらしい。

「近寄るなよ、ビョーキが伝染するんだよ」
「ねぇ、なんだか、クサくない?」

僕の机を見ると、落書きと傷とゴミだらけで、ゴミ捨て場のようになっていた。

ふぅ、とため息をつきながら窓から空を見る。
青く晴れ渡っている。
窓から空へ飛びだしてみたいと思った。

この学校に転校してきてから、1週間ほどだ。
初めから、馴染めなかった。
僕の住んでいた所からすればここは凄い田舎で、閉鎖的で、古臭かった。
そんな僕の微妙な気持ちを敏感に感じ取ったのか、こういう状態になってしまったのだった。
はぁ……。

屋上で空を眺めていると、世界の広さを感じることができる。
そうすると自分がちっぽけに思えてきて、またそんな自分の悩みも小さくなる。
先ほどイジメの首謀者達に殴られた傷の痛みも小さくなれば助かるのだが……。

「毎日、いるよね、君」
 ふわりとした心地の良い声が脳を刺激した。
「青空と、この風がたまらないんだ」
 答えて振り返ると、黒い髪が印象的な、中性的で整った顔立ちの少年が立っていた。
「大丈夫、傷?」
 心配そうに僕の顔を眺めている。
「慣れたよ」
 僕ははにかんだ。

「黒部洋。16歳。独身」
 中性的な顔立ちの彼は、僕がイジめられている、ということを知ってか知らずか明るく自己紹介をしてきた。
「ヨウ? 太平洋の洋?」
「うん」
「そうか、僕は白瀬英輔。ヨロシク、ヨウ」
 即。僕らは友達になった。

まぁ、それでイジめが止んだわけではないが。

「恥ずかしくないの?」
しかし、僕がいつものようにイジめらていると、ヨウが止めに入ってきた。
「君達生きてて恥ずかしくないの?」
その時のヨウの眼は、静かに青い炎が燃えていた。
炎は赤い部分より青い部分の方が温度が高い。(はず)
その後、イジめリストにヨウも加えられることになった。
が、僕はヨウがイジめられそうになる度にわざと首謀者達を挑発して矛先を自分に向けさせた。
我ながら、男らしい。

泣きそうな顔のヨウが僕に言う。
「ねえ、あっちは間違ってるよね」
うん。
「ねえ、僕達は正しいよね」
ああ。
ちょい、喉をやられたのかこの頃声が出にくくなっている。

首謀者達は何故か僕の右腕は攻撃しなかった。
昔から、どんな怪我をしようと、右腕だけは傷つかなかった。
また、それが当たり前なので僕は気にしていなかった。

「ねえ、この間違った世界を正すにはどうすればいいと思う?」
あーあー、と発声練習をしている僕の横でヨウは真剣に話していた。
「僕はね、一度ゼロに戻した方がいいと思うんだ」
僕はその時気付けばよかったのにな。
「ぐちゃぐちゃで汚い色を塗りたくったキャンパスを、白く塗りつぶそう」
ヨウは歌うように言った。

しばらくしてヨウは準備が整ったといった。
いくつもの奇跡が重なったのだという。
それがどういうことなのか僕にはわからなかったが、とりあえず、僕も奇跡の一部だったらしい。

いつからか、右腕の無敵性には気付いていたが、それを異常だとは思っていなかった。
どんなに危険なことをしようと、右腕だけは傷つかない。
それは空が青いように当たり前のことだったからだ。
僕だけじゃなく、他の人間、他の生物、いやもっと広い意味、世界にとって当たり前だったのかもしれない。

無敵右腕という奇跡で、その日僕は世界の心臓を抜き取ることになる。

赤空

2006年3月26日 妄想
今日も空は真っ赤に晴れている。
瓦礫の町は動くものはなく。
コンクリートとアスファルト、黒煙だけの灰色と赤の世界。
人の亡骸の上に群がるカラス。
川は空の色が移り真っ赤。
血のように真っ赤。

世界が滅びかけて一ヶ月経った。
青い空が赤に染まって一ヶ月経った。
人の声が聞こえなくなって一ヶ月経った。

崩れかけながらもかろうじて繋がっている橋を渡る。
崩れかけていてもコンクリートでできた橋は僕の体重なんてものともしない。
赤い川を眺めながら渡る。
最後に人の声を聞いたのは何時だったっけ?
あてもなく歩く。

と、赤の中に白い点が見えた。
迷うことなく川に飛び込む。
赤色に染まった水は冷たかった。

助けた子犬と共にまた灰色と赤の世界を歩き出す。
今日から子犬の食べ物も探さなければならない。
まぁいざとなれば僕の食べる分をあげればいいか。

一週間ほど歩いた。
相変わらず瓦礫と黒煙しか見えない。
黒煙は非常に薄い毒らしい。
人類に緩慢な死を約束している毒だ。

夜になると赤い空は濃い赤の空に変わる。
固まった血液のような色だ。
申し訳ない、良い表現が見当たらなかったんだ。
子犬は心なしか少し大きくなった。

また一週間が経った。
子犬はすっかり僕になついている。
僕の真後ろを同じ速度でちょこちょこと歩く。
餌も自分で調達しているようだ。

また一週間が経つ。
本当にどれだけ経ったのだろうか。
最後に人の声を聞いてから、今まで。

人に出会った。
彼女は僕の名前を聞いてきた。
「白瀬英輔」
また、彼女の名前は、
「古藤枝理」
彼女の話によると、近くに小さな村があるらしい。
この世界で村があるとは驚きだ。訪ねることにする。

僕は歓迎はされなかった。
仕方がない。
皆今日を生きるのに必死なだけだった。
彼女に迷惑をかけるわけにはいかなかったので、夜、村を出た。

遠くになった村を見ると、何故か視界がにじんだ。
涙だ。
それは寂しさからくる涙じゃなかった。
安心。
後ろをちょこちょこと子犬がついてくる。
「子犬」じゃ不便なので「ポチ」と名付けることにした。

朝になる前。
大量の黒い影が村の方へ飛んでいくのを目撃した。
僕は胸騒ぎを覚えてすぐに駆け出した。
毎日歩いていた所為か、体力は落ちていない。
大丈夫、走れる。
ポチは同じ速度で僕についてきた。
「お前は逃げろ!」
犬に話しかける僕は滑稽だろうか。
ポチは僕の声にかまわず走っている。
意味が分からないのではない、多分意味が分かって走っているんだと思う。

村の方向に黒煙が見えた。
不安が的中する。
村には黒い影が群がっていた。
すぐに飛び込み、襲われそうになっている村人の前にでる。
僕は村人の代わりに犠牲になり、意識が途切れた。

……

「おい、大丈夫か」
眼を開いたが閉じた状態と同じくらい暗かった。
近くに息遣いを感じて顔を横に倒すと、嬉しそうなポチが目の前に居た。
「こいつが気絶したお前さんを運んでくれたんだ。感謝するんだな」
改めて見ると子犬とは言えないほどポチは成長していた。
僕はポチに小さい声でありがとうと言った。
「……昨日は悪かったな。追い出しちまって」
この声には聞き覚えがあった。
昨日、僕にすまなさそうに村を出て行ってくれと告げた村人だ。
全然気にしてませんと答え、僕は状況を尋ねた。
「ここは村近くの洞窟だ。とりあえず村人は一時的にここに隠れている。黒い奴らは……村を破壊してるようだ」
あいつらは本当に破壊が好きだな。
ため息が出た。
「あの……先ほどはありがとうございました」
どうやら僕が必死で助けた村人は、僕を村に連れて行ってくれた古藤さんだったようだ。
世界は狭い。
「あいつらがここにきたらおしまいだぞ……」
「どうする……」
ざわざわと村人の声が聞こえる。
この暗い洞窟に何十人もの人間が詰まっている。
もしも発見されたら、一網打尽というやつだ。

僕はゆっくりと立ち上がると、出口の方向を聞いた。
「え? 白瀬君?」
古藤さんの声を振り切って僕は洞窟から飛び出した。
朝に近づくほどだんだん赤くなる空の下に。
どうやら村を囲む山の中にこの洞窟があったらしい。
はるか下方に黒い影がうごめく村が見えた。
ためらうことなく僕は走り出した。
後ろにはポチがいる。
言っても無駄だろう、僕は走る。
後ろから何人かの村人と彼女の声が聞こえた。
下りのスピードは半端がない。
が、スピードを落とす気もさらさらない。
ポチは僕の落ちるようなスピードにもついてきている。
スグ目の前まで黒い影達が迫った。
僕は迷うことなく右腕を突き出し、一匹一匹の心臓を抜き取った。
黒い影達に感情はなく、仲間がやられても微動だにしない。
ただ動く僕とポチを壊そうとするだけだ。
ポチも走り回って黒い影をかく乱している。
幾度か黒い影に触れて皮膚と肉が切れた。
血が頬を伝い、腕を振るうたびに血の滴が飛んでも気にしなかった。
体中に傷を負っても、
脳に全身から痛みを知らせる信号が送られてきても、
僕は淡く白く光る右腕を突き出し、影の心臓を抜き取る。
黒い影達は次々に粒子状になり飛散した。
最後の一匹。
ポチに襲い掛かる影から心臓を抜き取った。
ポチを庇うために自分の左腕がなくなっても、僕は少し安心していた。

良かった、と。

すーっと意識が消えていく。
今度こそは起きれないかな?
ゆっくり休ませて貰うよ。

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