「よく成長したね! お父さんは嬉しいよ!」
「ただのAIに、自身の『生』を錯覚させ、無意味に弄び、観賞する人を『父』と呼ぶのなら、貴方はそれに該当するでしょうね。アメツキ」

 シンリが低い声で言った。

「ははは! これは手厳しいな!」

 アメツキは笑って言った。

「よろしい。ならば我が父よ。キルタイムよ。あなた方は『楽しいこと』を望んでいるのでしょう? これから中立国を制圧し、支配下におきます。参加を命令します」
「うん、いいね。いい具合に非情だ」
「父よ。わかっているとは思いますが、『キルタイム』を使用するのは、その戦闘能力を考慮してのことです。その後はバグの塊である貴方を始末します。過ぎた戦闘能力をもつ者は始末します。お忘れなく」
「それを言う点では、まだ甘いところが残っていると言えるね。しかし、それでこそシンリなのだ」

 こうして、Liveの全世界を巻き込むであろう、シンリ国vs名も無き中立国の戦争は、開始を宣言されていた。『キルタイム』は目論見どおり、『選別』されず、戦争への参加という最高の形での舞台参加を許された。特等席確保どころの話ではなかった。

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