「攻める?」

「……」

 それが、中央、首都アレクサンドルから伝わってきた、指示、命令。つまりシンリの意志。

「……何を馬鹿な!」

「リペノ」

 やはり憤ったリペノを、制するはポチ。

「国境で防衛線を敷くよりも、直接カイド首都フォロッサを叩いたほうが、犠牲が双方少なくなると、シンリ様は考えたのだろう。僕はシンリ様を信じ、ずっとついていくと決めている。

 ――だがリペノ、君は自由。このまま僕を追うのも君の自由だ。……でもね」

 ポチの言いたいことは、リペノにも理解はできた。

「……! いいえ、ポチさん! 僕は逃げません! 馬鹿な国、馬鹿なプレイヤー、それによって虐げられる人がいれば、僕は全力で助けます!」

 ポチ、リペノの軍一団は、指令どおりにカイドとシムシの直接の国境線を離れ、中立国の方へと進軍を始めた。

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