「と、いうかね。一言、言わせて貰っていいかな」
と、言ったのはアレックス。
「? 別にいいけど」
ぶっきらぼうに答えたのは、店主シンカ。
「人多すぎ」
いつのまにかロッカク堂の席は、全て埋まっていた。カフェテリアでもないのに。
確認のために、順番に。主に作者のために。
まず、ロッカク堂店主『シンカ』が、カウンターの中で新聞を読んでいる。紫色のショートカットに、黒を基調としたファッション、伊達メガネ。知的な装いである。
そして、窓際の二人席に座っているのが、【解析】という特殊なスキルを持つ、意外と熱い男『アサト』、と【迷いの森の魔女】、『ヘレナ』。今はヘレナがアサトに、賢者の石はいつになったら手に入るんだとネチネチと攻撃している真っ最中である。
同じくその隣に位置する窓際の席には、『NET』、『アレックス』、『フルファイア』というこれまたある意味最強な面子が揃っていた。今はNETとフルファイアのチェス対決をアレックスが観戦している形である。だがもうすでにピンチのNETは(あそこでこうしていたなら)と言い訳する段階に入っている。
店内の一角で本を何種類も広げ、わかったように頷きながら読んでいるのは、自称大魔法使い『ウルトン』である。魔法のこととなると目を変える彼は、しかし床に並ぶ古びた貴重な本はシンカから借りただけだと本人は主張しているので、今のところロッカク堂に収入はない(だがもちろんシンカにそれを見逃すつもりはない)。
店の影になる四人席で、真剣に向かい合って話し合っているのは、元元老である『キサノ』と、元シムシ国王『カナン』である。魔法について熱心に喋っているようだが、熱心すぎて常人では理解できない単語が飛び交っているので割愛する。あと角が生えた馬とかは外の馬小屋にいる。
そして今、ロッカク堂のドアを開いて帰ってきたのは、金髪の女顔剣士である。女顔だが男である。プレイヤーネーム『バリエッタ』。彼はただのバイトである。
「バイトじゃない」
天に向かってツッコんだバリエッタは、明らかにバイトの仕事である買出しを終えて帰ってきたのだ。
「何でコーヒーの消費量がこんなに上がってるんだ……?」
いわゆる転売屋のようなものであるロッカク堂。バリエッタの疑問は概ね正しい。
「カフェテリアロッカク堂、はじめました」
さりとて、なんでもない風にシンカは言った。
と、言ったのはアレックス。
「? 別にいいけど」
ぶっきらぼうに答えたのは、店主シンカ。
「人多すぎ」
いつのまにかロッカク堂の席は、全て埋まっていた。カフェテリアでもないのに。
確認のために、順番に。主に作者のために。
まず、ロッカク堂店主『シンカ』が、カウンターの中で新聞を読んでいる。紫色のショートカットに、黒を基調としたファッション、伊達メガネ。知的な装いである。
そして、窓際の二人席に座っているのが、【解析】という特殊なスキルを持つ、意外と熱い男『アサト』、と【迷いの森の魔女】、『ヘレナ』。今はヘレナがアサトに、賢者の石はいつになったら手に入るんだとネチネチと攻撃している真っ最中である。
同じくその隣に位置する窓際の席には、『NET』、『アレックス』、『フルファイア』というこれまたある意味最強な面子が揃っていた。今はNETとフルファイアのチェス対決をアレックスが観戦している形である。だがもうすでにピンチのNETは(あそこでこうしていたなら)と言い訳する段階に入っている。
店内の一角で本を何種類も広げ、わかったように頷きながら読んでいるのは、自称大魔法使い『ウルトン』である。魔法のこととなると目を変える彼は、しかし床に並ぶ古びた貴重な本はシンカから借りただけだと本人は主張しているので、今のところロッカク堂に収入はない(だがもちろんシンカにそれを見逃すつもりはない)。
店の影になる四人席で、真剣に向かい合って話し合っているのは、元元老である『キサノ』と、元シムシ国王『カナン』である。魔法について熱心に喋っているようだが、熱心すぎて常人では理解できない単語が飛び交っているので割愛する。あと角が生えた馬とかは外の馬小屋にいる。
そして今、ロッカク堂のドアを開いて帰ってきたのは、金髪の女顔剣士である。女顔だが男である。プレイヤーネーム『バリエッタ』。彼はただのバイトである。
「バイトじゃない」
天に向かってツッコんだバリエッタは、明らかにバイトの仕事である買出しを終えて帰ってきたのだ。
「何でコーヒーの消費量がこんなに上がってるんだ……?」
いわゆる転売屋のようなものであるロッカク堂。バリエッタの疑問は概ね正しい。
「カフェテリアロッカク堂、はじめました」
さりとて、なんでもない風にシンカは言った。
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