「――××××――」
声にならない声をあげて、全身からその場にいる全員に死を覚悟させるほどの魔力を放出させたカナンは、むちゃくちゃな詠唱を唱え始めた。
当然、再充填が当初の予想を超える早さで終わっていたとしても、そんなカナンに先ほどのような精密な魔法操作ができるわけがない。
何もないところを見て叫ぶ、まさに【錯乱】状態のカナンには。
雄たけびが早くも、総司令部に近づいてきた。技術員達はカナンの錯乱を見て早々に逃げ出し、魔導士達もカナンを見てどうすればいいのか迷っている。
「落ち着けぇっ!」
叫んだのは、なんともないエラシナである。彼女はカナンの錯乱を当然のように受け止め、当然のようにその場の指揮をとる。
「カナン様は今、【錯乱】されておる! だが! 今国を守れるのはお前達しかおらぬ! 魔導士達よ!」
エラシナの声に、魔導士達が反応する。そうなるよう、エラシナは【声】に細工していた。少しテンションがあがる一杯の酒のような、微妙な効果だが、今の状況では十分だ。
魔導士達が結託して詠唱を始めた。自ら戦う覚悟ができたのだ。
カナンが無駄に魔力の放出を続ける間に、エラシナは他の親衛隊と共に千名と全面衝突の準備に入る。もちろんこちらは魔導士のみ数百名。技術員達は既に逃亡し、多勢に無勢には違いないのだが、魔導士には魔導士の戦い方がある。
「いやぁっ、近づかないでぇっ!」
カナンの叫び声など、もう誰も聞いてはいなかった。
声にならない声をあげて、全身からその場にいる全員に死を覚悟させるほどの魔力を放出させたカナンは、むちゃくちゃな詠唱を唱え始めた。
当然、再充填が当初の予想を超える早さで終わっていたとしても、そんなカナンに先ほどのような精密な魔法操作ができるわけがない。
何もないところを見て叫ぶ、まさに【錯乱】状態のカナンには。
雄たけびが早くも、総司令部に近づいてきた。技術員達はカナンの錯乱を見て早々に逃げ出し、魔導士達もカナンを見てどうすればいいのか迷っている。
「落ち着けぇっ!」
叫んだのは、なんともないエラシナである。彼女はカナンの錯乱を当然のように受け止め、当然のようにその場の指揮をとる。
「カナン様は今、【錯乱】されておる! だが! 今国を守れるのはお前達しかおらぬ! 魔導士達よ!」
エラシナの声に、魔導士達が反応する。そうなるよう、エラシナは【声】に細工していた。少しテンションがあがる一杯の酒のような、微妙な効果だが、今の状況では十分だ。
魔導士達が結託して詠唱を始めた。自ら戦う覚悟ができたのだ。
カナンが無駄に魔力の放出を続ける間に、エラシナは他の親衛隊と共に千名と全面衝突の準備に入る。もちろんこちらは魔導士のみ数百名。技術員達は既に逃亡し、多勢に無勢には違いないのだが、魔導士には魔導士の戦い方がある。
「いやぁっ、近づかないでぇっ!」
カナンの叫び声など、もう誰も聞いてはいなかった。
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