“GM緊急告知! まことに申し訳ありませんが、Live世界はただいまよりしばらくの間、ログインができなくなります。Liveよりログアウトか、死亡をいたしますと、しばらくの間Liveへは戻れませんので、ご注意ください。以上です”
「――シムシが衆に宣戦布告した、このタイミングで?」
「できすぎです。明らかにプレイヤー人口を減らしにかかっています」
(……ああ、でも私は納得している。なぜだろう)
衆の長の間にて。ライ、ポチ、ザクロ、リペノ、走電など、そうそうたるメンバーが集まり、シムシへの宣戦布告に対する会議を開いている最中に、その全世界テレパシーは届いた。
長の間は一瞬、どよめきが走ったが、さすがにそれぞれの分野の隊長格である。すぐに落ち着きは取り戻した。
(まあ、はじめから隊長格にはログアウトを頻繁に行うプレイヤーはいなかったし、死んだら死んだで一週間はLiveに帰れない。状況はあまり変わっていない。
――私なんて、何故かログアウトさえできないのだから)
自分が記憶を失っていたことさえ、この頃は忘れていたシンリであった。
「……さて、今のテレパシーは後回しにして、シムシへの対応ですが……」
「戦争する気ですか?」
「リペノ!」
シンリの言葉を遮るようにして、立ち上がったのはリペノだった。ポチがそれを制そうとする。
「いいです、ポチさん。答えましょう、リペノさん」
シンリの漆黒の瞳が、リペノを正面から捉える。それを右目だけで受け止めるリペノ、一歩も引かない。
「結論から言えば、私はシムシと戦争をしません」
「そんな言葉だけで!」
リペノが叫ぶ。ポチもいよいよ、立ち上がった。
「『戦争はしません』。リペノさん、ポチさん、座ってください」
二重低音となった声が、リペノの、長の間にいた全員の耳の中に入り込み、脳へと進入する。
(シムシと戦争はしない)
カリスマ:Aには、リペノも納得せざるを得ない。力が抜けたようにリペノは座った。
しかし、不安や疑問は、当然ある。
「……言いたくはないんだが」
走電がおずおずと手を上げた。
「それでどうするんだ?」
シンリは眼を伏せ、しばらく沈黙した。
「――シムシが衆に宣戦布告した、このタイミングで?」
「できすぎです。明らかにプレイヤー人口を減らしにかかっています」
(……ああ、でも私は納得している。なぜだろう)
衆の長の間にて。ライ、ポチ、ザクロ、リペノ、走電など、そうそうたるメンバーが集まり、シムシへの宣戦布告に対する会議を開いている最中に、その全世界テレパシーは届いた。
長の間は一瞬、どよめきが走ったが、さすがにそれぞれの分野の隊長格である。すぐに落ち着きは取り戻した。
(まあ、はじめから隊長格にはログアウトを頻繁に行うプレイヤーはいなかったし、死んだら死んだで一週間はLiveに帰れない。状況はあまり変わっていない。
――私なんて、何故かログアウトさえできないのだから)
自分が記憶を失っていたことさえ、この頃は忘れていたシンリであった。
「……さて、今のテレパシーは後回しにして、シムシへの対応ですが……」
「戦争する気ですか?」
「リペノ!」
シンリの言葉を遮るようにして、立ち上がったのはリペノだった。ポチがそれを制そうとする。
「いいです、ポチさん。答えましょう、リペノさん」
シンリの漆黒の瞳が、リペノを正面から捉える。それを右目だけで受け止めるリペノ、一歩も引かない。
「結論から言えば、私はシムシと戦争をしません」
「そんな言葉だけで!」
リペノが叫ぶ。ポチもいよいよ、立ち上がった。
「『戦争はしません』。リペノさん、ポチさん、座ってください」
二重低音となった声が、リペノの、長の間にいた全員の耳の中に入り込み、脳へと進入する。
(シムシと戦争はしない)
カリスマ:Aには、リペノも納得せざるを得ない。力が抜けたようにリペノは座った。
しかし、不安や疑問は、当然ある。
「……言いたくはないんだが」
走電がおずおずと手を上げた。
「それでどうするんだ?」
シンリは眼を伏せ、しばらく沈黙した。
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