44.アメツキ、銀2
2008年5月20日 Live2「……【無神戦役】は失敗だったけど、それでも何の役にも立たなかったわけじゃないね。ここ数年で一つ頭が抜けていたシムシがダメージを受けたことによって、パワーバランスが再び拮抗し、世界中で小規模ながらも戦争が勃発しているし、シムシも焦ってなにやら面白そうなことをしている。無神のために引き抜いた銀が、まさか衆に、いや、周に、これほどの影響を与えるとも思っていなかったし……くくく!
面白い、面白い……。これほどまでに俺の思い通り、思い通り以上になると、世界は「それ」を望んでいるんじゃないかと、思えてくるほどだ」
久しぶりにアメツキは長々と喋った。
「ああ、周ちゃん、死んじゃったのか……」
それを銀は、聞き流しているようだった。その瞳には何も映っていない。アメツキの話も一つも聞いていないようだった。
「……そうかあ、よかったねえ」
ふふふ、と笑って、銀は「よかった」と言った。
「開放されて――」
闇の空間、チャットルームにおいても、輝く銀色の長髪をなでながら、うっとりとした様子で銀は呟いた。周が死んだという報せを受けてから、ずっとこうであった。
「それより見たか、あの衆の新しい長の眼を! ますます力強く、ますます素晴らしい眼になっていたじゃないか! 今回は絶対に、うまく行くぞ! サーストのやりすぎは、逆に効果的だったのかもしれないな。殺してしまう前に褒美をやるべきだった」
アメツキのテンションはこれまでになく高かった。現在に限らず、アメツキのテンションは実は浮き沈みが激しい。普段誰にも上がったときを見せないのでいつも沈んでいるように見えるのだが、なぜか銀には見せる。銀は見ていないが。
「周ちゃん……死んだのかあ」
このかみ合わない二人は、いつまでもその話題を繰り返した。
面白い、面白い……。これほどまでに俺の思い通り、思い通り以上になると、世界は「それ」を望んでいるんじゃないかと、思えてくるほどだ」
久しぶりにアメツキは長々と喋った。
「ああ、周ちゃん、死んじゃったのか……」
それを銀は、聞き流しているようだった。その瞳には何も映っていない。アメツキの話も一つも聞いていないようだった。
「……そうかあ、よかったねえ」
ふふふ、と笑って、銀は「よかった」と言った。
「開放されて――」
闇の空間、チャットルームにおいても、輝く銀色の長髪をなでながら、うっとりとした様子で銀は呟いた。周が死んだという報せを受けてから、ずっとこうであった。
「それより見たか、あの衆の新しい長の眼を! ますます力強く、ますます素晴らしい眼になっていたじゃないか! 今回は絶対に、うまく行くぞ! サーストのやりすぎは、逆に効果的だったのかもしれないな。殺してしまう前に褒美をやるべきだった」
アメツキのテンションはこれまでになく高かった。現在に限らず、アメツキのテンションは実は浮き沈みが激しい。普段誰にも上がったときを見せないのでいつも沈んでいるように見えるのだが、なぜか銀には見せる。銀は見ていないが。
「周ちゃん……死んだのかあ」
このかみ合わない二人は、いつまでもその話題を繰り返した。
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