またシンリの、【夢】。
黒で塗りつぶされたヒトと、旅を始めてかなり経った。
共に多くの景色を見て、共に多くの危機を乗り越え、共に多く笑った。
他のプレイヤーとの出会い、別れ。モンスターとの戦い。時には逃げた。
その全てに感動した。私はいつのまにか全て、そう何故か『全て』が愛おしくなってしまった。
風の音。草の香り。太陽。月と星。プレイヤー達の会話。足音。馬車の車輪。
そんな当たり前のことでさえ、いや、当たり前だからこそ、全ては素晴らしい。
食事を終え、黒塗りのプレイヤーが現れた。相変わらず、何を言っているのか聞き取りにくい。
しかしどうやら、新しい仲間と財宝を手に入れる、といった内容のことを言っているようだ。
「紹カイ、シテおコウ。ギン、アイゼンだ」
美しい銀髪のプレイヤーと、頑丈そうな鎧を纏った壮年の男が、笑っていた。ギン、とよばれたプレイヤーが私の頭に手を置いた。
「よろしく」
子供のような扱いに文句を言う暇も無く、満面の笑みで言われたのだから仕方が無い。私は黙った。アイゼンと呼ばれた男はその様子を両腕を組んでただ見守り、微笑んでいた。
一目でわかった。この二人のプレイヤーは、私の『大切な黒塗りのプレイヤー』と同じく、とても【良い】属性のものだ。この二人のプレイヤーは、決して友を、国を、裏切らない。裏切ろうとしてもできない属性だ。何故今そんなことを思ったのだろう。今だからこそ思えるからだろうか。
その後に起こる、【サイ【災厄】アク】な出来事の原因を、まず一つあげるとするならば、このパーティが素晴らしすぎたことかもしれない。
黒で塗りつぶされたヒトと、旅を始めてかなり経った。
共に多くの景色を見て、共に多くの危機を乗り越え、共に多く笑った。
他のプレイヤーとの出会い、別れ。モンスターとの戦い。時には逃げた。
その全てに感動した。私はいつのまにか全て、そう何故か『全て』が愛おしくなってしまった。
風の音。草の香り。太陽。月と星。プレイヤー達の会話。足音。馬車の車輪。
そんな当たり前のことでさえ、いや、当たり前だからこそ、全ては素晴らしい。
食事を終え、黒塗りのプレイヤーが現れた。相変わらず、何を言っているのか聞き取りにくい。
しかしどうやら、新しい仲間と財宝を手に入れる、といった内容のことを言っているようだ。
「紹カイ、シテおコウ。ギン、アイゼンだ」
美しい銀髪のプレイヤーと、頑丈そうな鎧を纏った壮年の男が、笑っていた。ギン、とよばれたプレイヤーが私の頭に手を置いた。
「よろしく」
子供のような扱いに文句を言う暇も無く、満面の笑みで言われたのだから仕方が無い。私は黙った。アイゼンと呼ばれた男はその様子を両腕を組んでただ見守り、微笑んでいた。
一目でわかった。この二人のプレイヤーは、私の『大切な黒塗りのプレイヤー』と同じく、とても【良い】属性のものだ。この二人のプレイヤーは、決して友を、国を、裏切らない。裏切ろうとしてもできない属性だ。何故今そんなことを思ったのだろう。今だからこそ思えるからだろうか。
その後に起こる、【サイ【災厄】アク】な出来事の原因を、まず一つあげるとするならば、このパーティが素晴らしすぎたことかもしれない。
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