22.シンリ、夢

2008年1月28日 Live2
 これは夢だ。

 おそらく、これからも何度か見るであろう夢。

 記憶を辿る、夢。

 初めて降り立った草原。一人ではなかった。

 隣には、親しい人がいた。

 男か、女か、若いのか、老いているのかは、黒い霧がその人物を人とわからぬぐらいに覆っているので、わからない。

 唯一つわかるのは、その人と私は、親しかった。どちらかが欠ければ、ずっと欠けたままの、不良品同士。片方が壊れれば、片方も壊れてしまう、ガラクタだった。

 うねる黒いミミズを纏った手が、差し出された。私は何の抵抗もなくその手を掴んだ。

「はハハ、ほンモのみたィた゛ナ」

 声も、何十にも重なって聞こえる気持ち悪い声だった。私には何故か、その言葉が読み取れたのだが。

「うん、一緒に頑張りましょう!」

 私は快活に答えていた。

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