「いきなり最狂すぎた戦いです! 最狂のNPC対三強です! なんと一戦目にして片方がチームという異例な戦い! コロセウムの観客の命! そしてこの後のネタのやり辛さなどが心配なところです! それでは私は早々に待避します!」

 フルファイアは一瞬でワープし、コロセウム中央から消えた。

「……あー……。なんじゃこれは」

 映える緑のTシャツ。【王】とは書かれていなかった。見た目にはわからないが、オーラに若さが満ち溢れている。

 アトラ王が、銀色に輝く鞭、【神鞭エキドーニア】を持って佇んでいた。

「……【未来視】も使えないようだ。何がどうなっているのかわからん。その顔を見ると、お前達にもわからないようだな」

 赤い灼熱の長髪、ギラギラと現代よりさらに鋭い眼を持った若き日のやくtじゃなくて周が、そのアトラの横に。

「ふむ、私もわけがわからないが……。何故かぼんやりと頭に浮かぶものがある」

 その二人の後ろに、恐ろしいほどの覇気を放つシムシ国の首相、アイゼン。

 現在の三国を代表する三名の、現役の頃の姿である。

「『敵を倒せ』か……。気に入らんのう」

 アトラが神鞭を肩にかけ、ため息をついた。

「おれもだアトラ。命令されるのがまず気に入らない。だが……」

 周はコロッセウム全体を見渡し、そして正面にいつのまにか現れた大きな白い箱を見た。

「あの箱の中身は、危険だな」

 アイゼンが巨大なツーハンデッドソードを抜き放つ。

「同意じゃ。久しぶりというかほとんど初めてか?」

 アトラは神鞭エキドーニアを一度振り、地面に綺麗な半円を描いた。

「三人で協力してNPC戦か。気に入らないが仕方あるまい。おれの本能がそう告げている」

 周は何故かゆったりとその場に座った。

「一分かかるな。まあそれでも早い方か。おれたち三人は意外と相性がいいようで困るぞ、アトラ、アイゼン」
「はん、それはわしの台詞じゃ、周。無駄話が長い、行くぞいアイゼン」
「さて、あの時以来か、アトラ。今回は周もいるが、どうかな、強いぞ……」

 三人の脳内には既に電波的な力で【無神】の概要は説明されている。
 白い箱の角が綺麗に割れて、まるでサイコロを切り開いたように綺麗に中身が晒される。

 赤いワンピースを着た完璧なヒトノカタチがそこにいた。

コメント

痺れ武蔵
痺れ武蔵
2007年9月24日17:29

未来視は先天性スキルじゃなかったのか

平田
平田
2007年9月24日23:55

先天性ですが戦闘に関係ないスキルは電波的なものにより使えない空間となっております

痺れ武蔵
痺れ武蔵
2007年9月25日8:26

なるほど

……役立たずってレベルじゃねーぞ!

ポチ&黒
ポチ&黒
2007年9月25日11:35

 周は何故かゆったりとその場に座った。

これは...活躍フラグ?
...役立たずフラグ?

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