152.これ以上ないって終わりかたってない
2007年6月18日 LIVE アトラ達が見守る中、
【神】の卵が真っ二つに割れ、中から白い光の粒があふれ出した。そしてそれら光の粒一つ一つが集まり、人の形を徐々に模っていく。その光景は流れるように、割れた空も戦場も白く照らしながら続いていく。その模りが終わり、白い光が収まっていくと、神に食べられたはずのプレイヤー達が、目を閉じた状態で完全に再生されていた。
「【蘇生魔法】……いや、単純な【蘇生】か……。まぁ、ゲームじゃし……あり? ありかのう? ははは……」
最後にクエスチョンがついたが、アトラはとりあえず状況を把握した。
そこにはもちろん、ポチ、ザクロ、アレックスの完全な姿があった。だが、アイゼンの姿はなく、また、数は実際に神に食われたプレイヤーの半数以下だった。
「ログアウトしたプレイヤーは流石に蘇生不可ということか。ま、これだけの人数がログアウトしていなかったのも奇跡に近いがのう」
白い光の人間構築アートが終わると、元の色配置が世界に戻り、プレイヤー達は次々に眼を開けていった。
「何を呆けとる、三人組よ」
アトラがニヤニヤと笑っているのに対し、シムシ三人組は呆然とその光景を見ているだけだった。
「状況についていけません……」
ローランは正直に答えた。
-------------------------------
戦場はざわめいていた。それはそうだ。死んだはずの自分が、突然またLive世界に戻ってきていたのだから。だが、アレックスは特に驚いてはいなかった。それよりも気になることがあった。辺りを見回し、状況を確認し、アレックスはそれを見つけた。
割れた卵。その中から光の粒が出てこなくなると、そのままゆっくり上昇を始めた。
それに気付いたのは、アレックスだけだった。
「サティ――」
【神速】から卵に手を伸ばそうとしたときには、もう、
割れた卵は一瞬で割れた空から飛び出す赤い顔と激突し、双方激しいエネルギーでせめぎあった。空が赤と白で染まり、点滅する。落ちてきていた赤い【神】の顔が苦痛で歪む。割れた卵は振り絞るように白く輝くエネルギーを放出し、そして。
「――ン?」
赤い顔は割れた卵と一緒に砕け、拡散し、白と赤の光の粒がそのせめぎあいを見ていた世界中のプレイヤー達の元へと降り注いだ。【神】の意志を砕かれた空はゆっくりと元の青い空へと戻っていって、
――そして
【神】の卵が真っ二つに割れ、中から白い光の粒があふれ出した。そしてそれら光の粒一つ一つが集まり、人の形を徐々に模っていく。その光景は流れるように、割れた空も戦場も白く照らしながら続いていく。その模りが終わり、白い光が収まっていくと、神に食べられたはずのプレイヤー達が、目を閉じた状態で完全に再生されていた。
「【蘇生魔法】……いや、単純な【蘇生】か……。まぁ、ゲームじゃし……あり? ありかのう? ははは……」
最後にクエスチョンがついたが、アトラはとりあえず状況を把握した。
そこにはもちろん、ポチ、ザクロ、アレックスの完全な姿があった。だが、アイゼンの姿はなく、また、数は実際に神に食われたプレイヤーの半数以下だった。
「ログアウトしたプレイヤーは流石に蘇生不可ということか。ま、これだけの人数がログアウトしていなかったのも奇跡に近いがのう」
白い光の人間構築アートが終わると、元の色配置が世界に戻り、プレイヤー達は次々に眼を開けていった。
「何を呆けとる、三人組よ」
アトラがニヤニヤと笑っているのに対し、シムシ三人組は呆然とその光景を見ているだけだった。
「状況についていけません……」
ローランは正直に答えた。
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戦場はざわめいていた。それはそうだ。死んだはずの自分が、突然またLive世界に戻ってきていたのだから。だが、アレックスは特に驚いてはいなかった。それよりも気になることがあった。辺りを見回し、状況を確認し、アレックスはそれを見つけた。
割れた卵。その中から光の粒が出てこなくなると、そのままゆっくり上昇を始めた。
それに気付いたのは、アレックスだけだった。
「サティ――」
【神速】から卵に手を伸ばそうとしたときには、もう、
割れた卵は一瞬で割れた空から飛び出す赤い顔と激突し、双方激しいエネルギーでせめぎあった。空が赤と白で染まり、点滅する。落ちてきていた赤い【神】の顔が苦痛で歪む。割れた卵は振り絞るように白く輝くエネルギーを放出し、そして。
「――ン?」
赤い顔は割れた卵と一緒に砕け、拡散し、白と赤の光の粒がそのせめぎあいを見ていた世界中のプレイヤー達の元へと降り注いだ。【神】の意志を砕かれた空はゆっくりと元の青い空へと戻っていって、
――そして
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