145.終焉2

2007年6月13日 LIVE
 先ほどまで晴れていた空が、今は暗雲に包まれていた。

「退け、ワシは急がねばならぬ。殺すぞ」

 アトラと、木の陰に潜む男、

「……こわい、こわい」

 アメツキが対峙していた。

「貴様か? 全ての黒幕は?」
「……なんでそうなるんですか」
「思わせぶりな登場の仕方をしよって。それで決定じゃ」
「……ひどいな、全部アイゼンさんのやったことじゃないですか」
「何故知っている?」
「……」
「何故アイゼンはああなった?」
「……知りませんよ」
「嘘じゃな!」

 突然アメツキの後ろから巨大な爪が飛び出した。もちろんその爪はシロトラの爪で、アメツキが隠れていた木を一撃でへし折ったが、

「……突然ですね」
「ワシは何も指示しておらん。シロトラがおぬしは【悪】だとよ」

 平気な顔でアトラの後ろに立つアメツキ。

「……言っておきますけどテレポートって強いんですよ?」
「言っておくがワシは最強じゃぞ?」

 アトラの回し蹴りが後方にいるアメツキを襲う。だが、それもまるで予測していたかのようにテレポートで避けるアメツキ。次に現れたのは樹上。

「何かと組み合わせとるな、パートナーか」
「……ええ、まあ、自衛手段くらいはありますよ」
「時間稼ぎか」
「……何のことを言っているのかさっぱり……」
「ワシはお主のようなヤツが一番嫌いじゃ」

 シロトラの二回目の攻撃。だが、アメツキを捉えきることはできない。太い木の枝を何本か折っただけで、シロトラは地面に着地した。

「……疲れるからやめましょうよ?」
「オーヌーシー」
「……わかってるんだよ、アイゼンとの戦闘で魔力が全部尽きてることも、本来の武器を現在持っていないことも。人の心配とか、してる場合じゃ……ないですよ?」


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