「ぐおおおおおおおお!」
大量の雷に体を貫かれ、ボロボロになった黒いローブ。だがその中にオルゾフの姿はなかった。
「……また逃げる……か、このGOKI野郎が」
ボソボソと何事かを呟くクサモチ。それは通常の三倍の詠唱である。
「“ウインドカッター三六〇°”」
詠唱終了。クサモチの体を中心にして、円形の衝撃波が一部焼かれた森に放たれた。それは一瞬にして広がり、鋭い音を残してやはり一瞬で消えた。
数秒経った後に、クサモチを中心とした半径五百メートル以内に立っていた木々が、一斉に倒れた。だが、オルゾフの昇天の光が立ち昇ることはなかった。
------------------------
「あいつ! なんで無事なんだ!?」
本当にGOKIのように、地面を這って物凄い速さで逃げる黒い物体が呟いた。鋭利な刃物で切られ倒れた木々の間を、縫うようにして必死に逃げるオルゾフだった。
「あんな威力の魔法を、ノーリスクで放つなんて不可能なはずだ! くそっ! くそっ! どうなってやがるんだああ!」
語気は強いが、決して大声は出さない。見つかったら一巻の終わりである。
そしてオルゾフは、気付かなかった。ようやくたどり着いた切り倒されてない木々の中に身を隠そうとしたとき、その木々の合間に蜘蛛の網のようなものが張り巡らされていたことを。
「かかった!」
明らかに初心者風な男が、それを見て喜んだことを。
網に見事に引っかかったオルゾフは、前に進まない体に疑問を覚え、周りをよく観察し、やっとその事実に気付く。
「な、なんだこりゃあ!」
「答えよう! そのアイテムの名は“網”」
「まんまじゃねーか! 誰だてめえ!」
「答えよう! わが名は“NET”!」
一本の木がグラリと揺れて、大きな物体が木の葉とともに飛び降りてきたのをオルゾフは確かに見た。その物体が着地時に盛大にずっこけたのも確認した。
「ぐぐぐ……! やはり身体能力は下がっている……! どういう経緯でお前に渡ったのかは知らないが、返してもらうぞ、そのアイテム!」
明らかに初心者風の珍妙な男の乱入に、オルゾフは一旦思考を停止するしかなかった。
大量の雷に体を貫かれ、ボロボロになった黒いローブ。だがその中にオルゾフの姿はなかった。
「……また逃げる……か、このGOKI野郎が」
ボソボソと何事かを呟くクサモチ。それは通常の三倍の詠唱である。
「“ウインドカッター三六〇°”」
詠唱終了。クサモチの体を中心にして、円形の衝撃波が一部焼かれた森に放たれた。それは一瞬にして広がり、鋭い音を残してやはり一瞬で消えた。
数秒経った後に、クサモチを中心とした半径五百メートル以内に立っていた木々が、一斉に倒れた。だが、オルゾフの昇天の光が立ち昇ることはなかった。
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「あいつ! なんで無事なんだ!?」
本当にGOKIのように、地面を這って物凄い速さで逃げる黒い物体が呟いた。鋭利な刃物で切られ倒れた木々の間を、縫うようにして必死に逃げるオルゾフだった。
「あんな威力の魔法を、ノーリスクで放つなんて不可能なはずだ! くそっ! くそっ! どうなってやがるんだああ!」
語気は強いが、決して大声は出さない。見つかったら一巻の終わりである。
そしてオルゾフは、気付かなかった。ようやくたどり着いた切り倒されてない木々の中に身を隠そうとしたとき、その木々の合間に蜘蛛の網のようなものが張り巡らされていたことを。
「かかった!」
明らかに初心者風な男が、それを見て喜んだことを。
網に見事に引っかかったオルゾフは、前に進まない体に疑問を覚え、周りをよく観察し、やっとその事実に気付く。
「な、なんだこりゃあ!」
「答えよう! そのアイテムの名は“網”」
「まんまじゃねーか! 誰だてめえ!」
「答えよう! わが名は“NET”!」
一本の木がグラリと揺れて、大きな物体が木の葉とともに飛び降りてきたのをオルゾフは確かに見た。その物体が着地時に盛大にずっこけたのも確認した。
「ぐぐぐ……! やはり身体能力は下がっている……! どういう経緯でお前に渡ったのかは知らないが、返してもらうぞ、そのアイテム!」
明らかに初心者風の珍妙な男の乱入に、オルゾフは一旦思考を停止するしかなかった。
コメント
あ、あれですよねこれはあのdなおbfさおfs
10さーーーーーーん