チャットルームは消滅した。

 謎の集団による攻撃の第一波で、ゴッドレス構成員の約七割が昇天。主なメンバーでは、【障壁】村正、【蠢動】ミゼッタ、【治癒】ゴルガリが昇天した。完全無欠であるはずのチャットルームは、謎の集団の奇襲によりあっけなく陥落した。

 抗戦しようとした【無常】アイゼンは、【空間】アカシアの【転移空間】により、強制的に転移させられた。チャットルームを滅ぼしたメンバーは、その後【空間】アカシアを断罪。ゴッドレスに捕らえられていた二十七名のプレイヤーを解放した。
 ゴッドレス残党の処理は困難に近いと判断した謎の集団は、その後、チャットルーム跡地から最も近いシムシ極東の町、ルツェンへと向かった。

 ゴッドレスは、あっけなく滅びた。

 そして【無神】発見の報は、ゴッドレスが滅びるまで、ついになかった。

 *

 所詮は、駒だった。感慨はない。ある目的に至るためだったのだから、損害はないのだ。

 ……。

“無常様さえ、生き延びれば、ゴッドレスは滅びません”

 我の命令にもまともに従わぬ奴らだった。本当に、不愉快な奴らだった。

 ……。

「損害……。ないわけでは、なかったか」

 終わったこと、しかも明らかに考えても無駄であることを考えている時点で、奴らの存在が我に何らかの影響を与えていたのは間違いがない。だからと言って、謎の集団に復讐を考える暇など我にはない。

「ふん……見当はついているがな……」

 このLive世界では、『GM』、『ゲームマスター』と分類されるプレイヤーが確かに存在する。見た目ではわからず、表舞台にも出ないが、確かにいる。我は知っていた。組織の一員に、『GM』と呼ばれるプレイヤーがいることを。
 プレイヤーを殺す【ゴッドレス】に入るGMがいるのならば、無条件でプレイヤーを守るGMが存在してもおかしくはない。

「……それだけのこと……だな」

 また無駄なことを考えた。飛ばされた場所は、シムシだった。帰ってきたという気はしない。最早ここは我の国などではない。何も考える必要はない。

 故に、我、思う。

 ……【無神】は何処にイル……。

 そして我、【無常】は、東に、『境の閃光』を見タノダ。

コメント

ポチ&黒
ポチ&黒
2007年3月14日7:43

空間ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

痺れ武蔵
痺れ武蔵
2007年3月14日9:59

露骨なひいきにふいた

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