112.散

2007年3月11日 LIVE
 チャンスは一度。

「お馬さん、立派な角が生えましたね。……もう一度燃やしましょうか?」

 ドン、とフルファイアの体がいきなり燃え上がった。その後フルファイアはサングラスを外してなぜか燃えないズボンにしまいこみ、灼熱色の赤眼で私とトゥエルを睨んだ。物凄い熱とプレッシャー。……だが。

「今度は負けられないんだ! トゥエルー!」
「ヒヒーン!」

 トゥエルは大きく角を一回転させて、強風を生み出す。フルファイアを包む炎はその風になびく気配を見せるが、流石に全て消えることはなかった。

「そよ風ですか?」

 フルファイアが片手を私とトゥエルに向けた。瞬間、

「散るぞ!」
「ヒヒンッ!」

 私とトゥエルは二手に分かれた。

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