【死】んだか……。
また無茶をしてしまった。ザクロさんに怒られるかもしれない。私は黒い闇の中へと沈んでいく。トゥエルの姿は何処にも見えなかった。
……助けたかった……のに……な……
*
10さんの幻が現れたりすることはなく、
私は目を覚ました。またまた、私は生き延びていた。本当に運がいいのか、悪いのか。
当然私は体中ビショ濡れで、髪や服から滴る水は全てやわらかい地面に落ちた。
……地面?
周りを見た。地面が円状に抉れていた。地面は藻などが生えているので緑色。私はその真ん中に居た。違和感。まさか、ここは……水が全てなくなった泉? 地形が泉と一致する。
「トゥエル!」
そして私が見たのは、足が全て完治して、雄大に立っているトゥエルの姿だった。その鼻先には、細く大きなねじれた角が生えていた。その角を取り巻く目に見える程の密度の風が、トゥエルのたてがみを全て逆立てていた。
気付けば、空が暗くなっていた。何故? すぐにその疑問は解決された。
ドッ、とバケツをひっくり返したような雨が炎が燃え盛る森、私、トゥエルに降りかかった。だが、森に入ったとき雨が降る気配などなかった。だからトゥエルはおそらく、泉の水を全て≪風≫で上空に吹き飛ばし、その水を雨のように森全体へと注いだのだ。まともに考えるのも馬鹿らしいむちゃくちゃな出来事だが、今起きた全ての現象を説明する論はそれしかなかった。
その豪雨はすぐに止み、鎮火した火災の煙と、水と炎で遮られていた太陽の光が私とトゥエルを優しく照らした。微妙に濡れたトゥエルの真っ白な肌とたてがみが、太陽の光を反射して七色に輝いた。
その姿はまさしく、伝説上の存在、一角獣《ユニコーン》だった。
また無茶をしてしまった。ザクロさんに怒られるかもしれない。私は黒い闇の中へと沈んでいく。トゥエルの姿は何処にも見えなかった。
……助けたかった……のに……な……
*
10さんの幻が現れたりすることはなく、
私は目を覚ました。またまた、私は生き延びていた。本当に運がいいのか、悪いのか。
当然私は体中ビショ濡れで、髪や服から滴る水は全てやわらかい地面に落ちた。
……地面?
周りを見た。地面が円状に抉れていた。地面は藻などが生えているので緑色。私はその真ん中に居た。違和感。まさか、ここは……水が全てなくなった泉? 地形が泉と一致する。
「トゥエル!」
そして私が見たのは、足が全て完治して、雄大に立っているトゥエルの姿だった。その鼻先には、細く大きなねじれた角が生えていた。その角を取り巻く目に見える程の密度の風が、トゥエルのたてがみを全て逆立てていた。
気付けば、空が暗くなっていた。何故? すぐにその疑問は解決された。
ドッ、とバケツをひっくり返したような雨が炎が燃え盛る森、私、トゥエルに降りかかった。だが、森に入ったとき雨が降る気配などなかった。だからトゥエルはおそらく、泉の水を全て≪風≫で上空に吹き飛ばし、その水を雨のように森全体へと注いだのだ。まともに考えるのも馬鹿らしいむちゃくちゃな出来事だが、今起きた全ての現象を説明する論はそれしかなかった。
その豪雨はすぐに止み、鎮火した火災の煙と、水と炎で遮られていた太陽の光が私とトゥエルを優しく照らした。微妙に濡れたトゥエルの真っ白な肌とたてがみが、太陽の光を反射して七色に輝いた。
その姿はまさしく、伝説上の存在、一角獣《ユニコーン》だった。
コメント