「『殺サナイデ』!」
「!? どうしたの!?」
突然暴れだしたサティン。私はどうすればいいのかわからなかった。
「ちょっと、落ち着いて!」
ひとまずサティンを背中から降ろし、振り回そうとした腕を押さえようとする。だが、
「うお!」
逆に私は泉に放り投げられていた。見かけによらず物凄いパワーだ。冷たい水。泡の音。
「『チョット、落チ着イテ……』!!」
今度は頭を押さえて苦しみだすサティン。息は荒く、両目からは涙が溢れていた。
「『アアアアーーーーーアアアアアァアアア!』」
「落ち着いて!」
【神速】。泉の水を弾き飛ばし、0秒でサティンに近付く。そして、私はサティンを抱きしめた。
「落ち着いて……!」
「『助ケテ! 助ケテ!』」
まるで何も知らない子供のように、サティンはその場で暴れまわった。パワーは確かに凄いが、これだけ近付けば私を弾き飛ばすのは容易じゃないはずだ。
「落ち着いて! 大丈夫だから!」
呼びかける。私の腕の中からはみ出したサティンの腕が、空気をかき乱す。
「『……アアア! アアア!』」
「大丈夫!」
何が、と言われると困るが
「『アア……アアア……』!」
「大丈夫だよ」
とにかく大丈夫。
「『〜〜!』」
だが、まだちょっと抵抗するサティン。
「大丈夫だって! サティン!」
「『ア……大丈……夫?』」
「ああ、大丈夫、大丈夫」
「『サティ……ン?』」
「あ、ごめん。君の名前は?」
『サティン』は、私達が勝手につけた名前だった。本当の名前が解れば、用のないものだった。
「『……サティン』」
「え……? サティン……なの?」
「『……サティン』!」
サティンの涙は、止まっていた。サティンは代わりに、笑っていた。
元の名前が本当にサティンだったのか、サティンという名前が気に入ったのか、わからない。だが、この時がサティンの生まれた時だった。
「『君ハ……ダレ』?」
「ああ、私は……」
マテ。
自身が崩壊スル、と思うほどの
恐怖と
……
寒気を
……
確かに感じた。
――私は、バラバラの死体になっていた。
「!? どうしたの!?」
突然暴れだしたサティン。私はどうすればいいのかわからなかった。
「ちょっと、落ち着いて!」
ひとまずサティンを背中から降ろし、振り回そうとした腕を押さえようとする。だが、
「うお!」
逆に私は泉に放り投げられていた。見かけによらず物凄いパワーだ。冷たい水。泡の音。
「『チョット、落チ着イテ……』!!」
今度は頭を押さえて苦しみだすサティン。息は荒く、両目からは涙が溢れていた。
「『アアアアーーーーーアアアアアァアアア!』」
「落ち着いて!」
【神速】。泉の水を弾き飛ばし、0秒でサティンに近付く。そして、私はサティンを抱きしめた。
「落ち着いて……!」
「『助ケテ! 助ケテ!』」
まるで何も知らない子供のように、サティンはその場で暴れまわった。パワーは確かに凄いが、これだけ近付けば私を弾き飛ばすのは容易じゃないはずだ。
「落ち着いて! 大丈夫だから!」
呼びかける。私の腕の中からはみ出したサティンの腕が、空気をかき乱す。
「『……アアア! アアア!』」
「大丈夫!」
何が、と言われると困るが
「『アア……アアア……』!」
「大丈夫だよ」
とにかく大丈夫。
「『〜〜!』」
だが、まだちょっと抵抗するサティン。
「大丈夫だって! サティン!」
「『ア……大丈……夫?』」
「ああ、大丈夫、大丈夫」
「『サティ……ン?』」
「あ、ごめん。君の名前は?」
『サティン』は、私達が勝手につけた名前だった。本当の名前が解れば、用のないものだった。
「『……サティン』」
「え……? サティン……なの?」
「『……サティン』!」
サティンの涙は、止まっていた。サティンは代わりに、笑っていた。
元の名前が本当にサティンだったのか、サティンという名前が気に入ったのか、わからない。だが、この時がサティンの生まれた時だった。
「『君ハ……ダレ』?」
「ああ、私は……」
マテ。
自身が崩壊スル、と思うほどの
恐怖と
……
寒気を
……
確かに感じた。
――私は、バラバラの死体になっていた。
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