私だけが楽しい衆 イメージアップ大作戦
2007年3月4日 LIVE番外編 コメント (3)「この頃、衆がプレイヤー達の間で悪く言われているそうだ」
「へえ……そうなんですか。シュウちゃんったらそんなこと気にしてるんですか」
「茶化すな銀。確かに民の噂などおれは気にしない。だが、衆が他国になめられるわけにはいかないのだ」
「おっしゃるとおりで」
「筋肉馬鹿だとか、見栄えが悪いだとか、環境が厳しいだとか、魅力的な要素がないだとか」
「その通りだと思いますけどね……」
「とにかく! このままでは新規の人材も尽きてしまう。今、衆には良いイメージが必要なのだ! 強い、凄い、かっこいい! そんなフレーズが必要なのだ!」
「珍しく熱くなっていますね」
「と、いうことでおれは模擬戦を開こうと思う」
「……どういうことかわかりませんが、なるほど。ちなみに何処と?」
「もちろんシムシだ」
二日後。
“レディースエーンジェントルメーン! ようこそ皆様アレクサンドルコロッセオへ! これから開かれますシムシvs衆(因縁の対決)模擬試合は五人対五人の団体戦! 先に三勝した方が勝ちとなります! ナレーターは私、なんでもそつなくこなすと評判の7−7が務めさせていただきます!”
アレクサンドルコロッセオ全体が震えるほどの歓声。
“ありがとうございまーすありがとうございます。さて、早速ですが両国の代表の挨拶です!”
『周だ。この戦いで衆の強さを全世界が知るだろう。守るだけでは勝利がないことをそこの老人に味あわせてやる』
“おーっと、衆代表周さん! いきなり挑戦的だー! もちろんコロッセオはブーイングの嵐!”
ブーブー!
『アイゼンだ。皆のもの、落ち着きたまえ。南の民達は必死すぎて余裕がない。ここは我々の優雅な戦いを見せてやろうではないか』
ワー! ワー!
“おーっとアイゼン様も負けていない! お互い睨みあいながら固い握手を交わします!”
「今日はよろしくお願いするぞ、周よ」
「相変わらず重そうな鎧だなアイゼン。無理するな」
“それでは早速第一試合です! 第一試合:周代表、空牙vsシムシ代表7−3!”
「おっしゃー! 出番だ! 久しぶりに出番だ!」
「見ててくださいアイゼン様ー!」
“戦闘描写は面倒なので観客の皆様は会話だけでフィーリングしてください! それではファイト!”
「音速!」
“おーっと、空牙選手、突然消えました! 初っ端から全開だー!”
「む、速いな!」
「さらに加速! 加速! ふははは! 音速で移動する俺の動きを」
「物理防御バリア!」
バリーン
「ぎゃああ!」
“勝者、シムシ国7−3!”
「馬鹿め、そんなスピードでバリアにぶつかればどうなるか考えなかったのか。やりましたよ、アイゼン様ー♪」
“あっけない! あっけなさすぎるー! アイゼン様、何か一言!”
「うむ」
「ぐぐぐ……何をやっているんだ空牙……」
“さあこんな感じで進めていきます! 早速第二試合:周代表空羅vsシムシ代表7−6!”
「何故ボクはこんなところに……」
「…………死にたい」
“どちらとも乗り気ではないようですが問答無用でファイトッ!”
「あ、7−6さん、あの……」
「……死にたい……」
「あの……」
「…………死にたい」
“おーっと、7−6、塞ぎこんでしまいました! これは戦闘不能とみなしますっ! 勝者、衆代表空羅ッ!”
ワー! ワー!
「……なんなんですか、これ」
“空羅選手から当然の疑問が出ましたっ! さて、周さん、コメントをどうぞ!”
「当然だ」
“当然だー! 当然だときました! それではどんどん次の試合です! 現在戦績は1対1の互角! 第三試合:周代表謎のジョーカー仮面vsシムシ代表コメタロー!」
「これは愉快な舞台だな!」
「僕と戦うというのかい!」
“やっとまともな対戦が見れそうです! 風のような速さでファイトッ!”
「……しまった」
“コメタロー選手、何かに気付いたようです!”
「飛ばす物がない!」
“致命的だー! 念動力の達人のコメタロー選手! 残念ながら飛ばす物がなければただの人です!”
「それは気の毒だな」
“不敵に笑った感じを醸し出す謎のジョーカー仮面選手! しかし顔は見えません!”
「おりゃあああ! ストレートマグナム!」
“放ったぁ! 結果的にはただのパンチを放ちました謎のジョーカー仮面選手の勝利です! なんとこれで2−1! 衆国が勝利に王手です!”
「ふはは! どうだアイゼン!」
「……くっ」
“どうやら周さんは完全に勝った気でいるようだー! それでは段々面倒になってきた第四試合! 周代表ヒラタvsシムシ代表アメツキ!
「私、周に所属してないんですけど……」
「オレハナゼココニイル……」
“色々言いたいことはあるでしょうが第四試合、ファイトッ!”
「うーん、しょうがない。変身」
“おーっと、ヒラタ選手ミノタウロスに変身しました! アメツキ選手はどう出るっ!?”
「……無理だろ」
“デターッ、無理だろーっ! アメツキ選手は無理だろと判断しました! あ、あれ? おーっと!? なぜかヒラタ選手がコロッセオの四方に飾ってある像を見て、わなわなしだしたぞ!?”
「英雄……」
“ミノタウロスは英雄が弱点だー! ヒラタ選手、コロッセオの四方に飾ってあった英雄の像を見つけてしまったー! そのままヒラタ選手は倒れてしまいました! 奇跡の大逆転アメツキ選手の勝利! これで2−2のイーブン! 勝敗は最後の戦いに託されました! 両代表一言!”
「おれ達は負けん」
「最後の選手を信じます」
“月並みだー! さあそんなこんなで第五試合最終戦! 衆代表! 最強! 不敵に笑う召喚士、銀ー!”
「ふふふ……」
“怪しい煙の中から登場しましたー! これは今までの雰囲気とは違います! バーサス! シムシ代表、超絶ルーキー、【隻眼の剣士】、ポーーーーチーーーー!」
ワー! ワー!
「なんなんだこの空気……」
“それでは、両雄ラストを飾るに相応しい戦いを期待します! レディー、ファイトッ!”
「【召喚】」
“いきなり来ましたーっ! 銀の【召喚】! 強力なパートナーを異次元から召喚するスキルです! これは早々に止めなければやばいッ!”
「……」
“しかしポチは見ているっ! 見ています! 腕を組んで見ています! 無防備な相手は攻撃しない! まさに騎士道ど真ん中です!”
「僕は卑怯なことはしません」
「ふふ……流石シムシでも有名な剣士ですね。では、遠慮なく。
【殺戮の王:グラシャラボラス】」
“おっそろしい名前を呟きました銀選手! 不気味な魔方陣がコロッセオ全体に浮かび上がりました! 昼だというのに空は真っ暗になってしまいました! 観客の間で動揺が広がっております!”
「ふふ……実はまだこの子は制御しきれていないんですけどね」
“今、さらに恐ろしい事実を呟いた銀選手ー! 既に危険を感じ取った聡明な観客の大半が外に非難しております! あっ、魔方陣からこの世のものとは思えない歪で大きな手が出てきました! どうやら私も実況できるのはここまでのようです! では皆さんさようなら!”
その後、コロッセオは瓦礫の山となり、後片付け等で模擬戦の勝敗は有耶無耶になった。
「銀ー!」
「はは……ごめんごめん。でも、シュウちゃんが戦うところも見たかったなあ」
「……」
「あれ? どうして黙るの?」
-終-
「へえ……そうなんですか。シュウちゃんったらそんなこと気にしてるんですか」
「茶化すな銀。確かに民の噂などおれは気にしない。だが、衆が他国になめられるわけにはいかないのだ」
「おっしゃるとおりで」
「筋肉馬鹿だとか、見栄えが悪いだとか、環境が厳しいだとか、魅力的な要素がないだとか」
「その通りだと思いますけどね……」
「とにかく! このままでは新規の人材も尽きてしまう。今、衆には良いイメージが必要なのだ! 強い、凄い、かっこいい! そんなフレーズが必要なのだ!」
「珍しく熱くなっていますね」
「と、いうことでおれは模擬戦を開こうと思う」
「……どういうことかわかりませんが、なるほど。ちなみに何処と?」
「もちろんシムシだ」
二日後。
“レディースエーンジェントルメーン! ようこそ皆様アレクサンドルコロッセオへ! これから開かれますシムシvs衆(因縁の対決)模擬試合は五人対五人の団体戦! 先に三勝した方が勝ちとなります! ナレーターは私、なんでもそつなくこなすと評判の7−7が務めさせていただきます!”
アレクサンドルコロッセオ全体が震えるほどの歓声。
“ありがとうございまーすありがとうございます。さて、早速ですが両国の代表の挨拶です!”
『周だ。この戦いで衆の強さを全世界が知るだろう。守るだけでは勝利がないことをそこの老人に味あわせてやる』
“おーっと、衆代表周さん! いきなり挑戦的だー! もちろんコロッセオはブーイングの嵐!”
ブーブー!
『アイゼンだ。皆のもの、落ち着きたまえ。南の民達は必死すぎて余裕がない。ここは我々の優雅な戦いを見せてやろうではないか』
ワー! ワー!
“おーっとアイゼン様も負けていない! お互い睨みあいながら固い握手を交わします!”
「今日はよろしくお願いするぞ、周よ」
「相変わらず重そうな鎧だなアイゼン。無理するな」
“それでは早速第一試合です! 第一試合:周代表、空牙vsシムシ代表7−3!”
「おっしゃー! 出番だ! 久しぶりに出番だ!」
「見ててくださいアイゼン様ー!」
“戦闘描写は面倒なので観客の皆様は会話だけでフィーリングしてください! それではファイト!”
「音速!」
“おーっと、空牙選手、突然消えました! 初っ端から全開だー!”
「む、速いな!」
「さらに加速! 加速! ふははは! 音速で移動する俺の動きを」
「物理防御バリア!」
バリーン
「ぎゃああ!」
“勝者、シムシ国7−3!”
「馬鹿め、そんなスピードでバリアにぶつかればどうなるか考えなかったのか。やりましたよ、アイゼン様ー♪」
“あっけない! あっけなさすぎるー! アイゼン様、何か一言!”
「うむ」
「ぐぐぐ……何をやっているんだ空牙……」
“さあこんな感じで進めていきます! 早速第二試合:周代表空羅vsシムシ代表7−6!”
「何故ボクはこんなところに……」
「…………死にたい」
“どちらとも乗り気ではないようですが問答無用でファイトッ!”
「あ、7−6さん、あの……」
「……死にたい……」
「あの……」
「…………死にたい」
“おーっと、7−6、塞ぎこんでしまいました! これは戦闘不能とみなしますっ! 勝者、衆代表空羅ッ!”
ワー! ワー!
「……なんなんですか、これ」
“空羅選手から当然の疑問が出ましたっ! さて、周さん、コメントをどうぞ!”
「当然だ」
“当然だー! 当然だときました! それではどんどん次の試合です! 現在戦績は1対1の互角! 第三試合:周代表謎のジョーカー仮面vsシムシ代表コメタロー!」
「これは愉快な舞台だな!」
「僕と戦うというのかい!」
“やっとまともな対戦が見れそうです! 風のような速さでファイトッ!”
「……しまった」
“コメタロー選手、何かに気付いたようです!”
「飛ばす物がない!」
“致命的だー! 念動力の達人のコメタロー選手! 残念ながら飛ばす物がなければただの人です!”
「それは気の毒だな」
“不敵に笑った感じを醸し出す謎のジョーカー仮面選手! しかし顔は見えません!”
「おりゃあああ! ストレートマグナム!」
“放ったぁ! 結果的にはただのパンチを放ちました謎のジョーカー仮面選手の勝利です! なんとこれで2−1! 衆国が勝利に王手です!”
「ふはは! どうだアイゼン!」
「……くっ」
“どうやら周さんは完全に勝った気でいるようだー! それでは段々面倒になってきた第四試合! 周代表ヒラタvsシムシ代表アメツキ!
「私、周に所属してないんですけど……」
「オレハナゼココニイル……」
“色々言いたいことはあるでしょうが第四試合、ファイトッ!”
「うーん、しょうがない。変身」
“おーっと、ヒラタ選手ミノタウロスに変身しました! アメツキ選手はどう出るっ!?”
「……無理だろ」
“デターッ、無理だろーっ! アメツキ選手は無理だろと判断しました! あ、あれ? おーっと!? なぜかヒラタ選手がコロッセオの四方に飾ってある像を見て、わなわなしだしたぞ!?”
「英雄……」
“ミノタウロスは英雄が弱点だー! ヒラタ選手、コロッセオの四方に飾ってあった英雄の像を見つけてしまったー! そのままヒラタ選手は倒れてしまいました! 奇跡の大逆転アメツキ選手の勝利! これで2−2のイーブン! 勝敗は最後の戦いに託されました! 両代表一言!”
「おれ達は負けん」
「最後の選手を信じます」
“月並みだー! さあそんなこんなで第五試合最終戦! 衆代表! 最強! 不敵に笑う召喚士、銀ー!”
「ふふふ……」
“怪しい煙の中から登場しましたー! これは今までの雰囲気とは違います! バーサス! シムシ代表、超絶ルーキー、【隻眼の剣士】、ポーーーーチーーーー!」
ワー! ワー!
「なんなんだこの空気……」
“それでは、両雄ラストを飾るに相応しい戦いを期待します! レディー、ファイトッ!”
「【召喚】」
“いきなり来ましたーっ! 銀の【召喚】! 強力なパートナーを異次元から召喚するスキルです! これは早々に止めなければやばいッ!”
「……」
“しかしポチは見ているっ! 見ています! 腕を組んで見ています! 無防備な相手は攻撃しない! まさに騎士道ど真ん中です!”
「僕は卑怯なことはしません」
「ふふ……流石シムシでも有名な剣士ですね。では、遠慮なく。
【殺戮の王:グラシャラボラス】」
“おっそろしい名前を呟きました銀選手! 不気味な魔方陣がコロッセオ全体に浮かび上がりました! 昼だというのに空は真っ暗になってしまいました! 観客の間で動揺が広がっております!”
「ふふ……実はまだこの子は制御しきれていないんですけどね」
“今、さらに恐ろしい事実を呟いた銀選手ー! 既に危険を感じ取った聡明な観客の大半が外に非難しております! あっ、魔方陣からこの世のものとは思えない歪で大きな手が出てきました! どうやら私も実況できるのはここまでのようです! では皆さんさようなら!”
その後、コロッセオは瓦礫の山となり、後片付け等で模擬戦の勝敗は有耶無耶になった。
「銀ー!」
「はは……ごめんごめん。でも、シュウちゃんが戦うところも見たかったなあ」
「……」
「あれ? どうして黙るの?」
-終-
コメント
……あれ? でもこれ……
イメージアップ……?