「ゴッドレス全メンバーに伝えろ。必ず【無神】を探し出せ。失敗は許さぬ!」
無常は怒り、屈辱、後悔に震えていた。逃がした。逃がした。【無神】を、逃がした。
このときのために。全て。全てこの計画のために。捨て、捨て、捨てた! なのに!
(何故だ、何故だ、何故だ、完璧だった。完璧だったはずだ)
「何故だ! 【空間】!」
「……は、はい。ま、まず、【無神】が脱獄したのは第7……」
「そんな前置きはいい!」
「はっ! も、申し訳ありません。【無神】はおそらく、テレポートを使用したものと思われます……」
「何故そんなスキルを使えた!? プリズンは確かにテレポート系スキルには無力だが、そのスキルを【無神】が使えたはずがない! コピーしたというのか!? テレポート、そんなスキルを覚えたプレイヤーなら、牢獄からはとっくに逃げ出しているはずだ! ありえぬ!」
「は、はい。確かにそうです。ですが、もしも、そのプレイヤーがテレポートを使えても、使えなかったとしたら……」
「前置きはいいと……」
「申し訳ありません! 恐らく、捕らえらていたプレイヤーのテレポートは、過度のリスクを背負ったものだったと推測します。使えば、スキルや体、魔力、或いは生命力に悪影響を受けるテレポート。【無神】に命の危機を感じたプレイヤーが苦肉の策として使用した「リスクテレポート」(おそらく本来は大人数長距離移動等の効果がある)を、【無神】がコピーし、使用した」
「……」
いくら【無神】が最強といえども、今は姿どおりの「子供」。その上、今、何らかのリスクを背負って、世界に飛び出した……?
何故だ、【無神】のことを知り得る元老達は、できる限り抹殺した。【ゼロ】も警戒し、それぞれの国も疲弊させた。多くの【無神】のための空間も作った。順調だった。順調だった。
なのに、何故! 何故だ! 何が気に入らなかったんだ! 無常にはわからない。
「必ず! 必ずだ! 【無神】を探し出せ!」
怒り狂う無常。
「面白くなってきましたね……」
そんな無常を物陰から見ていたフルファイアは、炎を纏って闇に消えた。
無常は怒り、屈辱、後悔に震えていた。逃がした。逃がした。【無神】を、逃がした。
このときのために。全て。全てこの計画のために。捨て、捨て、捨てた! なのに!
(何故だ、何故だ、何故だ、完璧だった。完璧だったはずだ)
「何故だ! 【空間】!」
「……は、はい。ま、まず、【無神】が脱獄したのは第7……」
「そんな前置きはいい!」
「はっ! も、申し訳ありません。【無神】はおそらく、テレポートを使用したものと思われます……」
「何故そんなスキルを使えた!? プリズンは確かにテレポート系スキルには無力だが、そのスキルを【無神】が使えたはずがない! コピーしたというのか!? テレポート、そんなスキルを覚えたプレイヤーなら、牢獄からはとっくに逃げ出しているはずだ! ありえぬ!」
「は、はい。確かにそうです。ですが、もしも、そのプレイヤーがテレポートを使えても、使えなかったとしたら……」
「前置きはいいと……」
「申し訳ありません! 恐らく、捕らえらていたプレイヤーのテレポートは、過度のリスクを背負ったものだったと推測します。使えば、スキルや体、魔力、或いは生命力に悪影響を受けるテレポート。【無神】に命の危機を感じたプレイヤーが苦肉の策として使用した「リスクテレポート」(おそらく本来は大人数長距離移動等の効果がある)を、【無神】がコピーし、使用した」
「……」
いくら【無神】が最強といえども、今は姿どおりの「子供」。その上、今、何らかのリスクを背負って、世界に飛び出した……?
何故だ、【無神】のことを知り得る元老達は、できる限り抹殺した。【ゼロ】も警戒し、それぞれの国も疲弊させた。多くの【無神】のための空間も作った。順調だった。順調だった。
なのに、何故! 何故だ! 何が気に入らなかったんだ! 無常にはわからない。
「必ず! 必ずだ! 【無神】を探し出せ!」
怒り狂う無常。
「面白くなってきましたね……」
そんな無常を物陰から見ていたフルファイアは、炎を纏って闇に消えた。
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