「……馬、鹿」
「う、うるさいですね……」
「……馬、鹿」
「に、二度目ですね……」
全壊した物見やぐらを見て、激怒する衆のプレイヤー達から隠れながら、私とアオさんは酒場へと向かっていた。私はまだ怪我の所為でマトモに動けなかったので、トゥエルの上で死んでいた。喋るのが精一杯な状態だった。
「す、すいません……、手綱を引いてもらって……。というか私を助けてもいいんですか……? 任務の邪魔をしたのに……」
「……良」
良いんだ……。このアオさんはクサモチさん以上に必要最低限のことしか言わないので困る。が、言いたいことがなんとなくわかるのも不思議だった。
しばらくすると、トゥエルが優しく立ち止まった。一応私の体の心配はしてくれているようだ。
「……これはひどい」
横目で見た酒場の前は、ひどい有様だった。所々焼け焦げて、火が燻っていた。そして、やはり所々焼け焦げたポチさんが、元気そうに立っていた。ザクロさんはポチさんの火傷を治療していたようだ。
「あ、アレックスさん! 無事だったんだ! 良かったそして助かったよ!」
「ポチさん……無事でしたか……。あの二人は?」
「酒場の裏でふん縛ったよ。いやあ、二人も中々強くてね。アレックスさんがスナイパーを倒してくれなかったらローランの能力が……」
「それはまた番外編で、ということで……」
「何言ってるの、アレックスさん?」
ひとまず安心した。が、忘れてはならないことがある。
「アオさん……あの……」
「……我、負」
ポチさんと戦う気配を見せず、アオさんは酒場の裏へと消えた。ポチさんはそれを普通に見送った。あっけない戦闘の終わりだった。
「11さん! 怪我してるじゃないですか! しかもひどい怪我! 強敵だったんですね……」
「え、ええ……」
私はザクロさんに、苦笑いを返すことしかできなかった。
「う、うるさいですね……」
「……馬、鹿」
「に、二度目ですね……」
全壊した物見やぐらを見て、激怒する衆のプレイヤー達から隠れながら、私とアオさんは酒場へと向かっていた。私はまだ怪我の所為でマトモに動けなかったので、トゥエルの上で死んでいた。喋るのが精一杯な状態だった。
「す、すいません……、手綱を引いてもらって……。というか私を助けてもいいんですか……? 任務の邪魔をしたのに……」
「……良」
良いんだ……。このアオさんはクサモチさん以上に必要最低限のことしか言わないので困る。が、言いたいことがなんとなくわかるのも不思議だった。
しばらくすると、トゥエルが優しく立ち止まった。一応私の体の心配はしてくれているようだ。
「……これはひどい」
横目で見た酒場の前は、ひどい有様だった。所々焼け焦げて、火が燻っていた。そして、やはり所々焼け焦げたポチさんが、元気そうに立っていた。ザクロさんはポチさんの火傷を治療していたようだ。
「あ、アレックスさん! 無事だったんだ! 良かったそして助かったよ!」
「ポチさん……無事でしたか……。あの二人は?」
「酒場の裏でふん縛ったよ。いやあ、二人も中々強くてね。アレックスさんがスナイパーを倒してくれなかったらローランの能力が……」
「それはまた番外編で、ということで……」
「何言ってるの、アレックスさん?」
ひとまず安心した。が、忘れてはならないことがある。
「アオさん……あの……」
「……我、負」
ポチさんと戦う気配を見せず、アオさんは酒場の裏へと消えた。ポチさんはそれを普通に見送った。あっけない戦闘の終わりだった。
「11さん! 怪我してるじゃないですか! しかもひどい怪我! 強敵だったんですね……」
「え、ええ……」
私はザクロさんに、苦笑いを返すことしかできなかった。
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