(ぷっ!)
――あっ!
(くふふ……)
今、誰か、
(はははは!)
わ、笑った!
「誰だ笑ったのはァアア!」
思わず叫んでいた。その聞き覚えのある声に。思わずキレていた。その私の感情を揺さぶる声に。
「!?」
もう体力の限界とか、なりふりとか、構っていられない。梯子に再びしがみつき、【神速】を発動。視界が一瞬真っ白になった。重力を忘れた。気付いたら私は、空を飛んでいた。
呼吸が止まる。何処が上か、下か。青い髪を、視界の端に捕らえた。
落下する。どちらが下かようやく解る。落下する。突然梯子から消えた私を探す、『アオ』の上へ!
「どっせーい!」
「……!?」
ハンドガンを弾き飛ばし、アオという女性プレイヤーをその場に押さえつけた。腕力はかろうじて勝っているようだ。癒しのナイフをアオの首に突きつける。傍から見れば外道だが、なりふり構っていられないのだ。息が荒い。
「ハァ……、ハァ……!」
傍から見れば変質者だが、なりふり構っていられないのだ! うおお!
そこで私はようやく状況を把握した。どうやら私は神速で梯子を駆け上り、勢いで物見やぐらのさらに上空に飛び出し、そのままアオというネームの女性プレイヤーの上に落下。今に至ったというわけだな、うん。物見やぐらは屋根がないタイプだったので幸いだったのか。なんだか説明的だがそういうことだろう。
「ぜはっ! ぜはっ! これでっ! 私のっ! ぜはっ! ぜはーーぁ!」
今は私の方が優位なはずなのだが、そんな気がしないのはなぜだろう。これが、体力の限界というやつか。無理は良くない、神速のご利用は計画的に。
「……不、覚」
どうやら負けを認めてくれたようだ。スナイパーライフルは物見やぐらの端に置いてあった。狙撃を阻止するという目的は果たした。さてこれからどうしようと考えていた時だった。
物見やぐら全体が、グラリと揺れた。
――あっ!
(くふふ……)
今、誰か、
(はははは!)
わ、笑った!
「誰だ笑ったのはァアア!」
思わず叫んでいた。その聞き覚えのある声に。思わずキレていた。その私の感情を揺さぶる声に。
「!?」
もう体力の限界とか、なりふりとか、構っていられない。梯子に再びしがみつき、【神速】を発動。視界が一瞬真っ白になった。重力を忘れた。気付いたら私は、空を飛んでいた。
呼吸が止まる。何処が上か、下か。青い髪を、視界の端に捕らえた。
落下する。どちらが下かようやく解る。落下する。突然梯子から消えた私を探す、『アオ』の上へ!
「どっせーい!」
「……!?」
ハンドガンを弾き飛ばし、アオという女性プレイヤーをその場に押さえつけた。腕力はかろうじて勝っているようだ。癒しのナイフをアオの首に突きつける。傍から見れば外道だが、なりふり構っていられないのだ。息が荒い。
「ハァ……、ハァ……!」
傍から見れば変質者だが、なりふり構っていられないのだ! うおお!
そこで私はようやく状況を把握した。どうやら私は神速で梯子を駆け上り、勢いで物見やぐらのさらに上空に飛び出し、そのままアオというネームの女性プレイヤーの上に落下。今に至ったというわけだな、うん。物見やぐらは屋根がないタイプだったので幸いだったのか。なんだか説明的だがそういうことだろう。
「ぜはっ! ぜはっ! これでっ! 私のっ! ぜはっ! ぜはーーぁ!」
今は私の方が優位なはずなのだが、そんな気がしないのはなぜだろう。これが、体力の限界というやつか。無理は良くない、神速のご利用は計画的に。
「……不、覚」
どうやら負けを認めてくれたようだ。スナイパーライフルは物見やぐらの端に置いてあった。狙撃を阻止するという目的は果たした。さてこれからどうしようと考えていた時だった。
物見やぐら全体が、グラリと揺れた。
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