77.青

2007年2月15日 LIVE
「ちょ、この状況でそれを撃ったり……しませんよね?」

 私は首を少し傾けて、お茶目に聞いた。にもかかわらず、

「撃」

 と呟いて、ネーム:確認:『アオ』は淡々とハンドガンに弾を込めた。そして発砲した。

「ぎゃああああ!」

 物見やぐらの柱から柱へ、飛び移る飛び移る。弾丸の風を切る音がヒュンヒュンと五月蝿い! 飛び移るタイミングは【危険察知】が教えてくれた。だが、人には限界というものがあり、常にその限界を広げようと努力するのが人である、つまり。

「体力の限界が! 容赦してください!」
「断」

 漢字一文字で断りやがる狙撃者。先ほどまでしがみついていた物見やぐらの足に、銃弾が当たって木々の破片がはじけ飛んだ。疲れで柱にしがみつくのが、段々辛くなってきた。同時に汗で手が、手が滑る!

(ま、まずい。このままでは、本当に、コロサレル!)

「勧、死」

 いやあああ! いやだあああ!

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