私は大量のアイテムや果物の山に囲まれていた。
「ガウッ!」
持ってけ、ということなのだろう。生憎私には耳がない青いネコの便利なポケットのようなものは持っていなかったので、なんとなく綺麗な石を一つ、取った。
「では……これを」
「ガウッ!」
おっけー。ということなのだろう。そう思おう。
「……ビッグベアを倒すのではなく、癒すとは……流石俺の見込んだ男……」
背後から幽霊のような声が聞こえたので、私は驚き飛び退いた。背後にはよく確認してみても幽霊のように見える緑色の魔法使いがいた。
「ク、ク、クサ、クサ……」
「……クサモチだ……。……クサじゃない……」
「えっ、クサモチさん!?」
ザクロさんも、驚いている。
「どうして、ここに!?」
私とザクロさんの声が揃う。
「……王国、飽きた……。……11、面白そう……。……ゴッドレス、潰す……」
「飽きたぁ!? もしかしてカイド王国から抜けちゃったんですか!?」
「……うん」
ピシッ。ザクロさんは石になった。
「どうしてここがわかったんですか?」
「……フォロッサから、尾行してた……」
衝撃の事実。フォロッサからここ、『 』中立国、初心者の森まで、クサモチさんに尾行されていたことに、全く気付かなかった。
「何故、そんなまねを……」
「……」
クサモチさんは黙り込んでしまった。どうやら一日に話せる量は決まっているらしい。とりあえず今は放っておこう。
いつのまにか、動物やモンスター達はほぼ全て森に帰っていた。ビッグベアも背中に小熊を乗せて、片手を振りながら森に帰っていった。
「……一件落着?」
色々釈然としないが、とりあえず女性を守ることはできた。私にしては上出来だろう。
ガプ。今度はなんだ。私の頭を噛むのは誰だ。
振り返ると、大きな白い馬が立っていた。私の手の位置まで頭を下げてきたので、一撫でしてみる。鼻先には小さな角のような出っ張りがある。毛並みは繊細。目は金色だった。
「……一緒に行きますか?」
ヒヒン、と馬は短く鳴いた。肯定だ。そう思おう。
「……『12』は、流石に可哀想ですね。よし、君の名前はトゥエルです」
私の安直な名付けに、トゥエルは嬉しそうにヒヒンと鳴いた。唐突にパートナーができた。逃げ足も速そうなので嬉しい限り。
「ガウッ!」
持ってけ、ということなのだろう。生憎私には耳がない青いネコの便利なポケットのようなものは持っていなかったので、なんとなく綺麗な石を一つ、取った。
「では……これを」
「ガウッ!」
おっけー。ということなのだろう。そう思おう。
「……ビッグベアを倒すのではなく、癒すとは……流石俺の見込んだ男……」
背後から幽霊のような声が聞こえたので、私は驚き飛び退いた。背後にはよく確認してみても幽霊のように見える緑色の魔法使いがいた。
「ク、ク、クサ、クサ……」
「……クサモチだ……。……クサじゃない……」
「えっ、クサモチさん!?」
ザクロさんも、驚いている。
「どうして、ここに!?」
私とザクロさんの声が揃う。
「……王国、飽きた……。……11、面白そう……。……ゴッドレス、潰す……」
「飽きたぁ!? もしかしてカイド王国から抜けちゃったんですか!?」
「……うん」
ピシッ。ザクロさんは石になった。
「どうしてここがわかったんですか?」
「……フォロッサから、尾行してた……」
衝撃の事実。フォロッサからここ、『 』中立国、初心者の森まで、クサモチさんに尾行されていたことに、全く気付かなかった。
「何故、そんなまねを……」
「……」
クサモチさんは黙り込んでしまった。どうやら一日に話せる量は決まっているらしい。とりあえず今は放っておこう。
いつのまにか、動物やモンスター達はほぼ全て森に帰っていた。ビッグベアも背中に小熊を乗せて、片手を振りながら森に帰っていった。
「……一件落着?」
色々釈然としないが、とりあえず女性を守ることはできた。私にしては上出来だろう。
ガプ。今度はなんだ。私の頭を噛むのは誰だ。
振り返ると、大きな白い馬が立っていた。私の手の位置まで頭を下げてきたので、一撫でしてみる。鼻先には小さな角のような出っ張りがある。毛並みは繊細。目は金色だった。
「……一緒に行きますか?」
ヒヒン、と馬は短く鳴いた。肯定だ。そう思おう。
「……『12』は、流石に可哀想ですね。よし、君の名前はトゥエルです」
私の安直な名付けに、トゥエルは嬉しそうにヒヒンと鳴いた。唐突にパートナーができた。逃げ足も速そうなので嬉しい限り。
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