さらに再びくどいほど黒い空間。

「報告です」

 フルファイアが、いた。

「7−5を消去しました」
「……ご苦労だった」

 全身に禍々しい黒いオーラを纏った男が、いた。

「……あまり嬉しそうじゃありませんね? ボス【無常】」
「……」
「そりゃあ、そうですよねえ……」

 自らボスと呼んだ男に、フルファイアは少しの敬意も払おうとしなかった。むしろそこには侮蔑があった。

「口が過ぎるぞ……」
「はいはい……さっさと報告を終わらせますよ」

 フルファイアはズボンのポケットを探り、虹色に輝く玉を取り出した。

「賢者の石。やはり凄まじいですよ。魔力がほぼ無限に供給されました」
「……素直に返すとはな……」
「ふふふ、貴方にはわからないでしょうねえ。『無敵』のつまらなさ。『危険』の楽しさ、面白さを」

 ボスは戯言に耳を貸さない。

「次は……」
「わかっていますよ。『キング』には私の手の上で、踊ってもらう、でしょう?」

 爽やかな笑顔を残して、フルファイアは黒い空間を去った。

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