「私はチェス・ゲームが好きでして……」
アレクサンドルの東にある街、『グラズノ:Grazno』。
「強い相手と指すのは楽しいですね。私が勝つからです。
弱い相手と指すのはもっと楽しいですね。私が楽しめるからです」
グラズノ、その半分が、焼かれていた。
「まず、相手の力を見て加減します。ほら、ビショップを取れますよ。あー、残念。私の駒に取られてしまいました。ほらほら、クイーンも。あー、残念。私の駒に取られてしまいました。
――敵の戦力を、少しずつ殺いでいく」
真っ赤なズボンと真っ赤な短髪。真っ赤なサングラスをかけた、炎のベストを着た男。
フルファイアが、笑っていた。
「そう、周りから、少しずつ、少しずつ、力を殺いでいくのです」
対峙しているのるのは、7−5。
「あんた、自分が何やったのか、わかってんの」
「ええ、貴方、7−5の管轄であるグラズノを襲撃。それをエサに7−5をおびき寄せて、抹消する。全くやれやれ、こんな美しくない仕事をできるのは、美しい私ぐらいのものでね。必然こういう仕事は私に回ってきてしまうのです。やれやれですよ、本当に。うちの連中は『労働』という言葉を知らない。できればあなた方が教えてやってくれませんか? あ、それももうすぐ、できなくなりますね……困ったな」
ビキ。
7−5の額に血管が浮かぶ。
「そりゃ、俺達が消えるからかい?」
「ええ? それ以外にどういう結果があるのです?」
「……」
「まあ、貴方達には興味がありません。最終的には――『キング』を」
皆まで言わせず、7−5は飛び出していた。他の焼かれた兵士達の死体が、光の柱に包まれていた。業火で焼かれた街。炎で照らされた街。
「なめるなァアッ!」
全身に取り付けられたジェットが5の怒りに反応して激しく発火する。7−5は一瞬で【音速】『A』の速度に到達していた。全身に取り付けられた機械が悲鳴のような音をあげる。
その速度のまま、7−5はレアメタルでできたナックルをフルファイアの体に叩き込んだ。その威力はフルファイアの体を貫き、後ろの炎を風圧で全てかき消した。
が、体を拳で貫かれたフルファイアは、『炎』そのものに変わっていた。最高レベルの炎の魔法。
「炎の……魔人……」
「正解。これだけの炎があれば、私は割りとなんでもできるんですよねえ」
炎に浮かぶフルファイアの表情は『喜悦』。
炎の魔人は腕を伝わり、一瞬で7−5の体を飲み込んだ。
「ぐああああああああああああああ!」
「さようなら、『ナイト』」
アレクサンドルの東にある街、『グラズノ:Grazno』。
「強い相手と指すのは楽しいですね。私が勝つからです。
弱い相手と指すのはもっと楽しいですね。私が楽しめるからです」
グラズノ、その半分が、焼かれていた。
「まず、相手の力を見て加減します。ほら、ビショップを取れますよ。あー、残念。私の駒に取られてしまいました。ほらほら、クイーンも。あー、残念。私の駒に取られてしまいました。
――敵の戦力を、少しずつ殺いでいく」
真っ赤なズボンと真っ赤な短髪。真っ赤なサングラスをかけた、炎のベストを着た男。
フルファイアが、笑っていた。
「そう、周りから、少しずつ、少しずつ、力を殺いでいくのです」
対峙しているのるのは、7−5。
「あんた、自分が何やったのか、わかってんの」
「ええ、貴方、7−5の管轄であるグラズノを襲撃。それをエサに7−5をおびき寄せて、抹消する。全くやれやれ、こんな美しくない仕事をできるのは、美しい私ぐらいのものでね。必然こういう仕事は私に回ってきてしまうのです。やれやれですよ、本当に。うちの連中は『労働』という言葉を知らない。できればあなた方が教えてやってくれませんか? あ、それももうすぐ、できなくなりますね……困ったな」
ビキ。
7−5の額に血管が浮かぶ。
「そりゃ、俺達が消えるからかい?」
「ええ? それ以外にどういう結果があるのです?」
「……」
「まあ、貴方達には興味がありません。最終的には――『キング』を」
皆まで言わせず、7−5は飛び出していた。他の焼かれた兵士達の死体が、光の柱に包まれていた。業火で焼かれた街。炎で照らされた街。
「なめるなァアッ!」
全身に取り付けられたジェットが5の怒りに反応して激しく発火する。7−5は一瞬で【音速】『A』の速度に到達していた。全身に取り付けられた機械が悲鳴のような音をあげる。
その速度のまま、7−5はレアメタルでできたナックルをフルファイアの体に叩き込んだ。その威力はフルファイアの体を貫き、後ろの炎を風圧で全てかき消した。
が、体を拳で貫かれたフルファイアは、『炎』そのものに変わっていた。最高レベルの炎の魔法。
「炎の……魔人……」
「正解。これだけの炎があれば、私は割りとなんでもできるんですよねえ」
炎に浮かぶフルファイアの表情は『喜悦』。
炎の魔人は腕を伝わり、一瞬で7−5の体を飲み込んだ。
「ぐああああああああああああああ!」
「さようなら、『ナイト』」
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