いよいよ戦闘は激化。
リヴァイアサンの周りの海は氷系魔法によって凍り、それを足場にして戦士達がリヴァイアサンに突撃。陸地からは戦士達の支援、魔法によるリヴァイアサン直接攻撃をする魔法使い達。空中からはモンスターテイマー達のモンスターによる攻撃。ひときわ目立つ大きなブラックドラゴンも炎を吐いてリヴァイアサンと戦っていた。
リヴァイアサンの体中に小さな爆発が起こる。ギャアアというリヴァイアサンの苦しそうな鳴声が聞こえたと思ったら、次の瞬間にはリヴァアサンはビームを放っていた。
カッと、一瞬青い光がガレキの風景を照らし、その後衝撃波がやってきた。どうやら魔法使いの軍団が狙われたようだ。また、また、光の柱の束。
―― 一体どれだけ殺すつもりだ。
死んだわけじゃない。だが、この世界から消し去られたのは事実なのだ。
ガレキの山をよく探すと、白い手がガレキの間から覗いていた。すぐさま駆け寄り、手の上にあるガレキを取り除こうとする。
が、こんな時に、私の能力が発揮されてしまった。白い手が埋まっている横に、大きなガレキが立っている。もしも不用意にガレキを取り除こうものなら、その大きなガレキが、私と救助者ごと、押しつぶしてしまうかもしれない。それはガレキを取り除こうとすると寒気が襲ってくることで、証明された。
危険だ、危険だ、できない。
(た す け て … …)
――くそ。
ガクガク。
震える自分の右手を、左手で押さえる。笑う膝を、無理やり前へ。
ガチガチ。
白い手の上に積まれたガレキを、一つ一つ取り除く。手はピクリとも動かないが、微かに聞こえる声と、昇天していないのが生きている証拠。
ガラガラ。
もともとこの国は寒かったが、今私はさらなる極寒を感じていた。どんどん、自分で、危険をあげていく。そんな酔狂な行動をできるのは、何故だろうか。
ズン
恐らくリヴァイアサンの放ったビームの衝撃。大きなガレキからパラパラとレンガのカケラが落ちてきた。私は一旦手を止めて、大きなガレキを見つめた。まだ、まだ、大丈夫だ。
綱渡りの作業を続けて、ガレキの山から現れたのは、一人の魔法使いらしき女性。この国では珍しい白のローブを纏っていた。しかし今は女性の顔もローブもガレキで汚れきっていて、恐らく美しかったその姿はみすぼらしい。女性は薄く目を開いて、感謝の言葉をなんとか言って、ゆっくりと眼を閉じた。昇天はしない。気絶したのだろう。
のんびりしている場合ではない。気絶した女性を持ち上げ、今にも倒れてきそうな大きなガレキから逃げなければならない。
ドン
その思考と同時に、訪れた衝撃。多分、リヴァイアサンの。
世界はスローモーションになり、私は何もできない。
大きなガレキがゆっくり、ゆっくりと私と女性の方へ倒れてくるのが見えた。
避けられない。
危険察知能力は正しかった。それでも行動を続けた私に愛想を尽かしたのか、『寒け』は消えていた。
『無』。
目の前が真っ暗になって行く。せめて私は、女性をかばおうとしたのを、覚えている。
リヴァイアサンの周りの海は氷系魔法によって凍り、それを足場にして戦士達がリヴァイアサンに突撃。陸地からは戦士達の支援、魔法によるリヴァイアサン直接攻撃をする魔法使い達。空中からはモンスターテイマー達のモンスターによる攻撃。ひときわ目立つ大きなブラックドラゴンも炎を吐いてリヴァイアサンと戦っていた。
リヴァイアサンの体中に小さな爆発が起こる。ギャアアというリヴァイアサンの苦しそうな鳴声が聞こえたと思ったら、次の瞬間にはリヴァアサンはビームを放っていた。
カッと、一瞬青い光がガレキの風景を照らし、その後衝撃波がやってきた。どうやら魔法使いの軍団が狙われたようだ。また、また、光の柱の束。
―― 一体どれだけ殺すつもりだ。
死んだわけじゃない。だが、この世界から消し去られたのは事実なのだ。
ガレキの山をよく探すと、白い手がガレキの間から覗いていた。すぐさま駆け寄り、手の上にあるガレキを取り除こうとする。
が、こんな時に、私の能力が発揮されてしまった。白い手が埋まっている横に、大きなガレキが立っている。もしも不用意にガレキを取り除こうものなら、その大きなガレキが、私と救助者ごと、押しつぶしてしまうかもしれない。それはガレキを取り除こうとすると寒気が襲ってくることで、証明された。
危険だ、危険だ、できない。
(た す け て … …)
――くそ。
ガクガク。
震える自分の右手を、左手で押さえる。笑う膝を、無理やり前へ。
ガチガチ。
白い手の上に積まれたガレキを、一つ一つ取り除く。手はピクリとも動かないが、微かに聞こえる声と、昇天していないのが生きている証拠。
ガラガラ。
もともとこの国は寒かったが、今私はさらなる極寒を感じていた。どんどん、自分で、危険をあげていく。そんな酔狂な行動をできるのは、何故だろうか。
ズン
恐らくリヴァイアサンの放ったビームの衝撃。大きなガレキからパラパラとレンガのカケラが落ちてきた。私は一旦手を止めて、大きなガレキを見つめた。まだ、まだ、大丈夫だ。
綱渡りの作業を続けて、ガレキの山から現れたのは、一人の魔法使いらしき女性。この国では珍しい白のローブを纏っていた。しかし今は女性の顔もローブもガレキで汚れきっていて、恐らく美しかったその姿はみすぼらしい。女性は薄く目を開いて、感謝の言葉をなんとか言って、ゆっくりと眼を閉じた。昇天はしない。気絶したのだろう。
のんびりしている場合ではない。気絶した女性を持ち上げ、今にも倒れてきそうな大きなガレキから逃げなければならない。
ドン
その思考と同時に、訪れた衝撃。多分、リヴァイアサンの。
世界はスローモーションになり、私は何もできない。
大きなガレキがゆっくり、ゆっくりと私と女性の方へ倒れてくるのが見えた。
避けられない。
危険察知能力は正しかった。それでも行動を続けた私に愛想を尽かしたのか、『寒け』は消えていた。
『無』。
目の前が真っ暗になって行く。せめて私は、女性をかばおうとしたのを、覚えている。
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