馬車から降りた瞬間。
強い風が吹いて、雪と雲が途切れた。
久しぶりに見た晴天が、カイド王国首都、大城塞都市フォロッサの全貌をあらわにした。
らせん状の道路が中心に向かう程高くなっていく。らせんの中央には、巨大な城(というより塔)が聳え立っていた。規則正しくらせん状の道路を挟んで経っている建築物。城には通路をそのまま道なりに登っても行けるし、時々家の間にある階段を登ることで一気にショートカットしても行けた。
とにかく、この都市は大きな山のようだった。中央の城の最上階の標高は最早想像もつかない。
「物凄いデザインの都市だろ。中央のアトラ城からの眺めは最高だぜ」
「アトラ城!?」
「俺が勝手にそう呼んでるだけ。正式名称は『フォロッサ城』だ。つまらん」
何がつまらないのかよくわからなかった。深く考えない方が賢明だろう。
そうこうしているうちに一瞬の晴天は消えて、また怪しい天気になってきた。
「さて、このまま城に行くという手もあるが……ないな」
私はまだ10さんの思考には追いつけない。というか追いつきたくなかった。
「観光だ。観光。新しい街に来てまずやることは観光だろ? 若人よ」
10さんなりに、私に気を使ってくれているのだろう。悪い人じゃない。悪い人じゃないんだけど、ええい、ままよ。
強い風が吹いて、雪と雲が途切れた。
久しぶりに見た晴天が、カイド王国首都、大城塞都市フォロッサの全貌をあらわにした。
らせん状の道路が中心に向かう程高くなっていく。らせんの中央には、巨大な城(というより塔)が聳え立っていた。規則正しくらせん状の道路を挟んで経っている建築物。城には通路をそのまま道なりに登っても行けるし、時々家の間にある階段を登ることで一気にショートカットしても行けた。
とにかく、この都市は大きな山のようだった。中央の城の最上階の標高は最早想像もつかない。
「物凄いデザインの都市だろ。中央のアトラ城からの眺めは最高だぜ」
「アトラ城!?」
「俺が勝手にそう呼んでるだけ。正式名称は『フォロッサ城』だ。つまらん」
何がつまらないのかよくわからなかった。深く考えない方が賢明だろう。
そうこうしているうちに一瞬の晴天は消えて、また怪しい天気になってきた。
「さて、このまま城に行くという手もあるが……ないな」
私はまだ10さんの思考には追いつけない。というか追いつきたくなかった。
「観光だ。観光。新しい街に来てまずやることは観光だろ? 若人よ」
10さんなりに、私に気を使ってくれているのだろう。悪い人じゃない。悪い人じゃないんだけど、ええい、ままよ。
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