「……そういえば……、何故、フォロッサに?」
根本的なことを聞いていなかった。
「……うん、寅王がな。来いってさ」
「……寅王?」
「本名アトラ王。現カイド王国の王様」
「へぇー、王様なんですか……ごくごく……ぶっ! ……王様!?」
ちょうど飲んでいたコダテロンジュースを噴出してしまった。
「あーあー、もったいねえ」
「王様!? 王様に10さんみたいなア……、じゃなくて一般人が」
「今アホって言いそうになっただろ」
「一般人が会えるんですか!?」
「王様なんてそんな大したもんでもねえよ。大体お前、アレクサンドルでばったり首相様に会ったんじゃねえか」
「そ、そうですけど……」
「まあ、カイドの王様の方は警備が厳重で、滅多に人前に姿を見せないんだが……、俺なら会えるんだな、これが」
「……何故?」
「俺が凄いからに決まってるだろ!」
小さな船には私と10さんと冒険者数名しか乗っていなかった。波は少し荒く、天気は怪しいまま。不機嫌そうな灰色の雲達は、太陽を隠して雪を降らせている。
カイド王国首都フォロッサのある、『ロフ島』の港が見えてきた。
「俺の発言にはノータッチか?」
根本的なことを聞いていなかった。
「……うん、寅王がな。来いってさ」
「……寅王?」
「本名アトラ王。現カイド王国の王様」
「へぇー、王様なんですか……ごくごく……ぶっ! ……王様!?」
ちょうど飲んでいたコダテロンジュースを噴出してしまった。
「あーあー、もったいねえ」
「王様!? 王様に10さんみたいなア……、じゃなくて一般人が」
「今アホって言いそうになっただろ」
「一般人が会えるんですか!?」
「王様なんてそんな大したもんでもねえよ。大体お前、アレクサンドルでばったり首相様に会ったんじゃねえか」
「そ、そうですけど……」
「まあ、カイドの王様の方は警備が厳重で、滅多に人前に姿を見せないんだが……、俺なら会えるんだな、これが」
「……何故?」
「俺が凄いからに決まってるだろ!」
小さな船には私と10さんと冒険者数名しか乗っていなかった。波は少し荒く、天気は怪しいまま。不機嫌そうな灰色の雲達は、太陽を隠して雪を降らせている。
カイド王国首都フォロッサのある、『ロフ島』の港が見えてきた。
「俺の発言にはノータッチか?」
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