「いやあ、俺も結構長い間Liveにいるけど、危険察知【A】の人間なんて初めてだぜ?」
ここは、カイドに向かう大型馬車の中。シムシとカイドの仲は表面上は良いらしく、こういう定期便は結構あるらしい。それはいい。仲が良くて結構なことだ。
だが、私は何故、それに乗っているんだろう……?
「何しけた顔してんだよ。あ、そうか。俺の秘蔵のコレクションが見たいのか」
「いえ、あの、いいです……」
「おいおい、見てもないのに褒めるなよ」
「いや、その『いいです』じゃなくて……」
「これなんてどうだ? 『効果石』ー」
パンパカパーンと、まためでたい音が聞こえた。
「これを持っていると半径二十メートル以内にいるプレイヤーに……」
パンパカパーン。だからなんだこの音。
「と、効果音を聞かせることができる!」
……。自分が今、どんな表情をしているのかわからなかった。
「だが決して勘違いするなよ。船乗りのことじゃない」
……?
「『航海士』」
……。
助けて。
「おい。なんだその顔は。これはアイゼンに貰った家を、売ってまでして手に入れたんだぞ」
……あんたどうしようもないな……。
「アイゼンで思い出した。『あいつがまだ初心者の頃に躓いて転んだ石』ー」
パンパカパーン。と、10さんはただの石を取り出した。
「多分、今も俺がこれを持っていること、あいつに知れたら……消される」
じゃあ、捨てろよ。
馬車はいつのまにか、カイド王国に入っていた。
ここは、カイドに向かう大型馬車の中。シムシとカイドの仲は表面上は良いらしく、こういう定期便は結構あるらしい。それはいい。仲が良くて結構なことだ。
だが、私は何故、それに乗っているんだろう……?
「何しけた顔してんだよ。あ、そうか。俺の秘蔵のコレクションが見たいのか」
「いえ、あの、いいです……」
「おいおい、見てもないのに褒めるなよ」
「いや、その『いいです』じゃなくて……」
「これなんてどうだ? 『効果石』ー」
パンパカパーンと、まためでたい音が聞こえた。
「これを持っていると半径二十メートル以内にいるプレイヤーに……」
パンパカパーン。だからなんだこの音。
「と、効果音を聞かせることができる!」
……。自分が今、どんな表情をしているのかわからなかった。
「だが決して勘違いするなよ。船乗りのことじゃない」
……?
「『航海士』」
……。
助けて。
「おい。なんだその顔は。これはアイゼンに貰った家を、売ってまでして手に入れたんだぞ」
……あんたどうしようもないな……。
「アイゼンで思い出した。『あいつがまだ初心者の頃に躓いて転んだ石』ー」
パンパカパーン。と、10さんはただの石を取り出した。
「多分、今も俺がこれを持っていること、あいつに知れたら……消される」
じゃあ、捨てろよ。
馬車はいつのまにか、カイド王国に入っていた。
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