22.怒

2006年12月24日 LIVE
 モンスター五千

 アイゼンさん+7《セブン》:合計八名

 が対峙した。

 モンスター達に近づくアイゼンさん。モンスターは多種多様。ゴブリンのような小さな小人、巨大な蛇、鳥とライオンの合成体。それらが五千。獰猛な動物が混ざりに混ざったような状態だった。荒々しいモンスター達の呼吸がここまで聞こえた。
「人の言語がわかるものはいるか!」
 それらに少しも怯む様子を見せず、アイゼンさんは叫ぶように言った。その声に驚いたモンスターが一斉に前に出ようとしたが、
“待て”
 地の底から響くような声がそれを止めた。
“我らは オルグの森の ものだ”
 途切れながらも続く声。
“お前達 我らの 森を 奪った”
 憎しみに満ちたような声。それを聞きながらも、アイゼンさんの顔色は全く変わらない。
“故に 我ら 滅ぼす”
 モンスター達の唸り声が重なる。満場一致。

 ――来る。

「聞きたまえ、オルグの森の民よ」

 全てを言い終える前に、モンスターの大群はアイゼンさんを飲み込んでいた。

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