アイゼンさんはまるで子供のように、この経済大国シムシの仕組み、成り立ち、今現在の状況等をこと細かに語った。
「でだな、交通と人口の関係が……であって……税率が……これがなんとも……」
まるで何処かの大好きクラブ会長のようだと思いながら、私は巨大な城の一室(めっさ豪華)で小さくなっていた。アメツキさんは船を漕ぎ、3さんは目を輝かせて市長さんの話を聞いている。3さんはその間も、重そうな装置やヘッドギアは外そうとしなかった。
「はっ。すまないすまない。つい国や経済の話になると年甲斐もなく、白熱してまってね。つまらなかっただろう」
「いえ、アイゼン様! 素晴らしいお話でした!」
3さんはそう言いながら、アメツキさんの座っていたイスを蹴飛ばした。ドスンと背中を打ちつけたアメツキさんは何が起こったかわからない様子で、周りをキョロキョロと見渡した。
「どうだ? シムシは、素晴らしい国だと思わないかね?」
アイゼンさんは優しく私に問いかける。
「は、はあ……」
「はいでしょ?」
「はい!」
3さんに選択肢を狭められる。なるほど、役割があるのか、と私は納得した。
「まあ、無理にとは言わないが、どうかこの国の一員となってくれないだろうか? なに、そんなに難しいことじゃない」
キタ。私は内心ビクビクしていた。断るのは決定事項なのだが、どう断るかが重要だ。何せ、(断るの?)と冷たい表情で睨む3さんが右前方にいる。左前方のアメツキさんはまた船を漕ぎ出していたので、当てにならない。前方のアイゼンさんは純粋な眼で私を見ている。それはそれで辛い。
「えーと……」
何も考えず口を開いた時、
「伝令!」
白と青の甲冑を着た一般兵らしき男が、扉を突き破るようにして部屋に入ってきた。3さんとアイゼンさんは明らかに気分を害したようだが、何も言わなかった。
「アレクサンドル、北西にてモンスターが集結中!
数……およそ五千!」
「でだな、交通と人口の関係が……であって……税率が……これがなんとも……」
まるで何処かの大好きクラブ会長のようだと思いながら、私は巨大な城の一室(めっさ豪華)で小さくなっていた。アメツキさんは船を漕ぎ、3さんは目を輝かせて市長さんの話を聞いている。3さんはその間も、重そうな装置やヘッドギアは外そうとしなかった。
「はっ。すまないすまない。つい国や経済の話になると年甲斐もなく、白熱してまってね。つまらなかっただろう」
「いえ、アイゼン様! 素晴らしいお話でした!」
3さんはそう言いながら、アメツキさんの座っていたイスを蹴飛ばした。ドスンと背中を打ちつけたアメツキさんは何が起こったかわからない様子で、周りをキョロキョロと見渡した。
「どうだ? シムシは、素晴らしい国だと思わないかね?」
アイゼンさんは優しく私に問いかける。
「は、はあ……」
「はいでしょ?」
「はい!」
3さんに選択肢を狭められる。なるほど、役割があるのか、と私は納得した。
「まあ、無理にとは言わないが、どうかこの国の一員となってくれないだろうか? なに、そんなに難しいことじゃない」
キタ。私は内心ビクビクしていた。断るのは決定事項なのだが、どう断るかが重要だ。何せ、(断るの?)と冷たい表情で睨む3さんが右前方にいる。左前方のアメツキさんはまた船を漕ぎ出していたので、当てにならない。前方のアイゼンさんは純粋な眼で私を見ている。それはそれで辛い。
「えーと……」
何も考えず口を開いた時、
「伝令!」
白と青の甲冑を着た一般兵らしき男が、扉を突き破るようにして部屋に入ってきた。3さんとアイゼンさんは明らかに気分を害したようだが、何も言わなかった。
「アレクサンドル、北西にてモンスターが集結中!
数……およそ五千!」
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