移動は東へ徒歩と乗物酔い、テレポートの繰り返しだった。
なんでもテレポートを長距離、連続で使用するのはかなり疲れるそうだ。
草原と森、荒地、川原、砂地などを越える。モンスターが出た場合はテレポートですぐ逃げた。
アメツキさんによるとここは『名前のない中立国』というらしい。大抵の初心者が立ち寄るビギナの街と、様々なプロフェッショナルが集まる『プロ』という都市があり、『live』の舞台になるほぼ牛(意味はわからなかった)型の『ライブ大陸』、そのほぼ西側に位置する国、ということ。初心者が最初に降り立つ草原があるので、常に新しい人材、プレイヤーを求める国、支配者が挙って草原を支配しようと争い、結局は中立国で落ち着いた、とのこと。
多彩な地形と、初心者に優しいダンジョン、モンスター。さらにそれぞれの分野のプロが集まる都市がある、重要な国で、支配者は現在おらず、それぞれの国のスカウトが相当数入り込んでいる状態。そのスカウトがPK討伐も担当してなんとか治安は保たれている。
「初心者が強者に殺されたら、俺達は初心者をスカウトできないからな。一応PKする不届きモノがいたら国から仲間呼んで討伐するようにしている。初心者を助けたりすれば、お前みたいな掘り出し物も中にはいるってわけだな」
と、アメツキさんは馬車の中で言った。
「ま、あんな黒ドラゴン操る狂ったプレイヤーキラーは、俺では倒すのは無理なんだがな。俺も『ネコ』の危険察知がなかったら多分あの酒場で死んでたわ」
と、アメツキさんは笑っていた。
国は現在、主に大きい国が三つ、にらみ合い状態なのだという。
まず、東南の経済大国『シムシ』。広い平原と豊富な鉄資源が特徴の国で、商いが比較的自由。治安も良いらしい。機械の力が大きく、技術力や資産がモノを言うらしい。
支配者は首相、『アイゼン』。別名鋼の市長。
既に市ではなく国レベルの支配者なのだが、何故か親しみを込めてそう呼ばれているらしい。
アメツキさん曰く、
「まじ鉄壁。魔法や超能力や機械の力でバリアーを何百と張っているらしいぜ。普通の攻撃は全く通じねえ。ちなみに『live』初期から今現在まで生きているプレイヤーは『元老』と呼ばれている。市長もそのうちの一人なんだぜ」
なのだそうだ。つまりは廃人ということか(失礼)。
他の大国は北にある自然と魔法の国、『カイド王国』と、南にある屈強なプレイヤーの集団、『衆』らしい。
「明らかに規模とか人口じゃシムシが一番なんだが、カイド王国は強力なモンスターを従えたり、あり得ない魔法を使ったりしてくるからな。雷とか落とすのは常識で考えたらまじで反則だぜ? 衆はプレイヤー同士の結びつきが強くて、戦闘スキルに特化しているからな。中々倒せねえ。呪いとか暗殺とかも得意だし」
このゲームでもやはり、戦争はあるようだ。ギルドvsギルドのようなものだろう。
「そうだな。一回死んだら終わりだから皆必死さが違うぜ。本当の戦争だ。今のところ大三国それぞれがにらみ合ってて動けない状態だが、ま、張り詰めた糸みたいなもんで少しの衝撃で切れちまうと俺は思う」
そんな話をだらだらとしていたら、道に巨大な看板が立っていた。
「あそこから、シムシだ。俺の所属国。基本色は青。あ、ちなみにカイドは緑で衆は赤な。三国志みてえだろ?」
北に緑、カイド王国。東に青、シムシ国。南に赤、衆。そして西に名前のない中立国。
なるほど、世界の形がぼんやりだが見えてきた。馬車は国境を越えて、経済大国シムシに入った。
なんでもテレポートを長距離、連続で使用するのはかなり疲れるそうだ。
草原と森、荒地、川原、砂地などを越える。モンスターが出た場合はテレポートですぐ逃げた。
アメツキさんによるとここは『名前のない中立国』というらしい。大抵の初心者が立ち寄るビギナの街と、様々なプロフェッショナルが集まる『プロ』という都市があり、『live』の舞台になるほぼ牛(意味はわからなかった)型の『ライブ大陸』、そのほぼ西側に位置する国、ということ。初心者が最初に降り立つ草原があるので、常に新しい人材、プレイヤーを求める国、支配者が挙って草原を支配しようと争い、結局は中立国で落ち着いた、とのこと。
多彩な地形と、初心者に優しいダンジョン、モンスター。さらにそれぞれの分野のプロが集まる都市がある、重要な国で、支配者は現在おらず、それぞれの国のスカウトが相当数入り込んでいる状態。そのスカウトがPK討伐も担当してなんとか治安は保たれている。
「初心者が強者に殺されたら、俺達は初心者をスカウトできないからな。一応PKする不届きモノがいたら国から仲間呼んで討伐するようにしている。初心者を助けたりすれば、お前みたいな掘り出し物も中にはいるってわけだな」
と、アメツキさんは馬車の中で言った。
「ま、あんな黒ドラゴン操る狂ったプレイヤーキラーは、俺では倒すのは無理なんだがな。俺も『ネコ』の危険察知がなかったら多分あの酒場で死んでたわ」
と、アメツキさんは笑っていた。
国は現在、主に大きい国が三つ、にらみ合い状態なのだという。
まず、東南の経済大国『シムシ』。広い平原と豊富な鉄資源が特徴の国で、商いが比較的自由。治安も良いらしい。機械の力が大きく、技術力や資産がモノを言うらしい。
支配者は首相、『アイゼン』。別名鋼の市長。
既に市ではなく国レベルの支配者なのだが、何故か親しみを込めてそう呼ばれているらしい。
アメツキさん曰く、
「まじ鉄壁。魔法や超能力や機械の力でバリアーを何百と張っているらしいぜ。普通の攻撃は全く通じねえ。ちなみに『live』初期から今現在まで生きているプレイヤーは『元老』と呼ばれている。市長もそのうちの一人なんだぜ」
なのだそうだ。つまりは廃人ということか(失礼)。
他の大国は北にある自然と魔法の国、『カイド王国』と、南にある屈強なプレイヤーの集団、『衆』らしい。
「明らかに規模とか人口じゃシムシが一番なんだが、カイド王国は強力なモンスターを従えたり、あり得ない魔法を使ったりしてくるからな。雷とか落とすのは常識で考えたらまじで反則だぜ? 衆はプレイヤー同士の結びつきが強くて、戦闘スキルに特化しているからな。中々倒せねえ。呪いとか暗殺とかも得意だし」
このゲームでもやはり、戦争はあるようだ。ギルドvsギルドのようなものだろう。
「そうだな。一回死んだら終わりだから皆必死さが違うぜ。本当の戦争だ。今のところ大三国それぞれがにらみ合ってて動けない状態だが、ま、張り詰めた糸みたいなもんで少しの衝撃で切れちまうと俺は思う」
そんな話をだらだらとしていたら、道に巨大な看板が立っていた。
「あそこから、シムシだ。俺の所属国。基本色は青。あ、ちなみにカイドは緑で衆は赤な。三国志みてえだろ?」
北に緑、カイド王国。東に青、シムシ国。南に赤、衆。そして西に名前のない中立国。
なるほど、世界の形がぼんやりだが見えてきた。馬車は国境を越えて、経済大国シムシに入った。
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