「つ、着いた……」
体が鉛のように重い。バーチャルなので『疲れる』という概念はないのが救いだ。三十分以上走り続け、辿りついたのは『ビギナ』という街だった。
「明らかに最初の街だな……」
「プロっていう街もあるんでしょうか……」
キャラが疲れている所為か、発言には三点リーダがついている。動きも鈍く、息は切れ切れ。が、もちろん私本体は疲れていない。不思議な感覚だった。
街の入り口はわからない。塀も何もない街だったので、私とポチさんは『ビギナ』と書かれている看板が街の入り口を表していると判断した。
街の広さは大体直径五キロメートルに収まる程度だろう。小さくもないし、大きくもない。建築物は全て木でできていたが、白を基調としたさっぱりとした街並みで、流石、『ビギナ』だと思った。(どうしてだ)
私とポチさんは石畳の道を歩いて、街の中心部に向かった。
「うわぁ、人が一杯ですね」
「そうだな、流石、街だ」
思いっきり田舎者風に周りを見渡す私。布の上に商品を広げただけの路上商店、変な生き物と一緒に歩いている人、『武器』『防具』、『宿』や『道具』と書かれた看板のぶら下がっている家。すれ違うプレイヤー達は、初心者が多いのか、皆私とポチさんと同じような格好をしていた。
大きな噴水がある広場に着くと、沢山のプレイヤーがそれぞれ話をしたり、アイテムを交換したり、パーティを組んだりしているようだった。そんな街の当たり前の雑踏、騒がしい様子も、全てバーチャルとなれば新鮮だった。
「凄い、凄いなあ」
私はそんな当たり前の感想しか言えなかった。
体が鉛のように重い。バーチャルなので『疲れる』という概念はないのが救いだ。三十分以上走り続け、辿りついたのは『ビギナ』という街だった。
「明らかに最初の街だな……」
「プロっていう街もあるんでしょうか……」
キャラが疲れている所為か、発言には三点リーダがついている。動きも鈍く、息は切れ切れ。が、もちろん私本体は疲れていない。不思議な感覚だった。
街の入り口はわからない。塀も何もない街だったので、私とポチさんは『ビギナ』と書かれている看板が街の入り口を表していると判断した。
街の広さは大体直径五キロメートルに収まる程度だろう。小さくもないし、大きくもない。建築物は全て木でできていたが、白を基調としたさっぱりとした街並みで、流石、『ビギナ』だと思った。(どうしてだ)
私とポチさんは石畳の道を歩いて、街の中心部に向かった。
「うわぁ、人が一杯ですね」
「そうだな、流石、街だ」
思いっきり田舎者風に周りを見渡す私。布の上に商品を広げただけの路上商店、変な生き物と一緒に歩いている人、『武器』『防具』、『宿』や『道具』と書かれた看板のぶら下がっている家。すれ違うプレイヤー達は、初心者が多いのか、皆私とポチさんと同じような格好をしていた。
大きな噴水がある広場に着くと、沢山のプレイヤーがそれぞれ話をしたり、アイテムを交換したり、パーティを組んだりしているようだった。そんな街の当たり前の雑踏、騒がしい様子も、全てバーチャルとなれば新鮮だった。
「凄い、凄いなあ」
私はそんな当たり前の感想しか言えなかった。
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