・白瀬英輔

 いつものようにいじめられていた僕は天井を仰いだ。
「生意気なんだよ」
「気持ち悪いんだよ」
 多分、理由はなんでもいいのだろう。誰か弱い生物を甚振れれば。決め付けるのは良くないが、十中八九そうだと思う。
 僕にそんな奴等の言葉を忠告として受け取る寛容さはない。
 窓から覗く青空は広かった。見ているだけでも心地が良かった。
「余所見してんじゃねーよ!」
 それで殴られ、蹴られるわけだが、青空に比べれば僕たちは小さな存在だ。故にこれも小さな出来事だが、不満が溜まらないわけではない。

「恥ずかしくないの?」
 ははは、恥ずかしくないの……? だってさ。僕もそう思うよ。
「君達生きてて恥ずかしくないの?」
 いや、そこまでは思っていないのだが、まぁ、確かにそうも思っているかもしれない。
 もちろんそれを忠告として受け取らない輩たちは、さらに激昂した。

 そんなことを言ったヨウを庇って僕はなぐられ……

----------------------STOP--------

 庇って

----------------------STOP--------

 ――ヨウを庇って

 砂嵐

 無理矢理、再生を、

 砂嵐

 止められた僕の記憶《ビデオ》。

 悪魔のようで、天使のような声が囁く。

 「ははは、『生きてて恥ずかしくないの』か、傑作だな。

 さて、誰がそんなことを言ったのかな?」

 それは知らなくてもいいことでしょう。
 ねぇ、コウキさん。一体何がしたいんですか。

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