83、仲直り 【なかなおり】
2006年6月26日 100題 コメント (2)・白瀬英輔
自分のカタチがワカラナイ。
手を見ル、ボヤケテイル。
眼が悪くなった。チガウ。
腕がボヤケテイル。あれ、腕ってナンダッケ。
――どんなカタチだったっケ。
右腕がトレタ。
声がスル。
近くて、遠いトコロから、
優しく、厳しい声がスル。
「おーい、まだいるかい」
こんこん、と頭をノックされてイル。
うずくまって震えているボクは、自分を保つので精一杯ダ。
「最後かもしれないね、聞きなさい」
その言葉ハ、理解する前に消えようとスル。必死に言葉を掴ンデ考エる。
――聞きなさい。聞ク。聞ケ。
「そう、考えることを、止めないでね。
君には知るべきことが、実はまだ沢山ある」
嬉しそうで、悲しそうナ声。
張り詰めていて、緊張感のない声。
「君は理解者になる前に、自分自身のことを幾つか知った」
――それは ボク と、ボクではない 誰か の記憶。
――誰か(□□□○○○)
裕福な家庭。優しかった両親。
大きな屋敷に、暮らしていた。
誕生日に貰ったオルゴール。
幸せすぎた生活。
――誰か の 事故死
瓦礫や死体、焦げた物、煙、血、塊。
壊れてしまったオルゴール。
壊れてしまった誰かの肉体。
悲しみにくれる、誰かの両親。
違法、外道、と知りながらも、両親は研究所に注文する。
愛しき息子(誰か)のクローン。
――白い研究所で作られた誰かのクローン(ボク)――
毎日クローン(ボク)の元を訪れる両親。
白い部屋での日々を過ごすクローン(ボク)。
カラッポな日々を過ごすクローン(ボク)。
研究所所員が話した、誰かの両親の死。
クローン(ボク)――制作費の支払停止。
――クローン(ボク)の処分の決定。
クローン(ボク)処分寸前、助けてくれた、カミギコウキさん。
白以外の色を知るクローン(ボク)。
――外の世界での生活。
途中まで入力された誰かの記憶によって、混乱するボク。
誰かの記憶に誘われて、屋敷に向かうボク。
そこで大切なことを思い出しそうになるボク。
元所員だったコウキさんに知らされる自身の秘密。
ボクがクローンであるという記憶と、自分に混乱をもたらす誰かの記憶をコウキさんに封じてもらう、ボク。 ――逃げた、ボク。
――しばらく普通に暮らすボク。
都会で過ごすボク。
田舎で過ごすボク。
笑っているボク。
いじめられているボク。
そこで(学校で)、誰かと出会うボク。
――ア?
その、誰か(□□□○○○)とは、物凄く、仲が、よかったのニ。
今は、長く、喧嘩、しちゃってル。
仲直り、 シナキャ。
「必要ないかもしれないよ」
優しくて、残酷な声。
自分のカタチがワカラナイ。
手を見ル、ボヤケテイル。
眼が悪くなった。チガウ。
腕がボヤケテイル。あれ、腕ってナンダッケ。
――どんなカタチだったっケ。
右腕がトレタ。
声がスル。
近くて、遠いトコロから、
優しく、厳しい声がスル。
「おーい、まだいるかい」
こんこん、と頭をノックされてイル。
うずくまって震えているボクは、自分を保つので精一杯ダ。
「最後かもしれないね、聞きなさい」
その言葉ハ、理解する前に消えようとスル。必死に言葉を掴ンデ考エる。
――聞きなさい。聞ク。聞ケ。
「そう、考えることを、止めないでね。
君には知るべきことが、実はまだ沢山ある」
嬉しそうで、悲しそうナ声。
張り詰めていて、緊張感のない声。
「君は理解者になる前に、自分自身のことを幾つか知った」
――それは ボク と、ボクではない 誰か の記憶。
――誰か(□□□○○○)
裕福な家庭。優しかった両親。
大きな屋敷に、暮らしていた。
誕生日に貰ったオルゴール。
幸せすぎた生活。
――誰か の 事故死
瓦礫や死体、焦げた物、煙、血、塊。
壊れてしまったオルゴール。
壊れてしまった誰かの肉体。
悲しみにくれる、誰かの両親。
違法、外道、と知りながらも、両親は研究所に注文する。
愛しき息子(誰か)のクローン。
――白い研究所で作られた誰かのクローン(ボク)――
毎日クローン(ボク)の元を訪れる両親。
白い部屋での日々を過ごすクローン(ボク)。
カラッポな日々を過ごすクローン(ボク)。
研究所所員が話した、誰かの両親の死。
クローン(ボク)――制作費の支払停止。
――クローン(ボク)の処分の決定。
クローン(ボク)処分寸前、助けてくれた、カミギコウキさん。
白以外の色を知るクローン(ボク)。
――外の世界での生活。
途中まで入力された誰かの記憶によって、混乱するボク。
誰かの記憶に誘われて、屋敷に向かうボク。
そこで大切なことを思い出しそうになるボク。
元所員だったコウキさんに知らされる自身の秘密。
ボクがクローンであるという記憶と、自分に混乱をもたらす誰かの記憶をコウキさんに封じてもらう、ボク。 ――逃げた、ボク。
――しばらく普通に暮らすボク。
都会で過ごすボク。
田舎で過ごすボク。
笑っているボク。
いじめられているボク。
そこで(学校で)、誰かと出会うボク。
――ア?
その、誰か(□□□○○○)とは、物凄く、仲が、よかったのニ。
今は、長く、喧嘩、しちゃってル。
仲直り、 シナキャ。
「必要ないかもしれないよ」
優しくて、残酷な声。
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