77、ストレス 【すとれす】
2006年6月20日 100題 コメント (2)・シラセエイスケ
ソウは黒い霧になって消えた。
本人にも正体の解らないストレスは解消された。
思考がクリアになり、自分の行動や感情に今更ながら驚くのはシラセである。
――あからさまな憎しみの感情。
それは無理もなかった。
世界は今や黒い影が満ちている。
世界の色は「黒」なのである。
その世界の力を、大量に自分を通して使えば、世界の色に染まってしまうのは道理。
世界の意志に、個人の意志が敵うはずがないのだ。
世界の色に、個人の色は塗りつぶされるのみなのだ。
様々な場所で起こった人間、動物、植物、全ての物体の悲劇と死。
――それは放つ。「黒」を。
憎しみの色で満ちている世界。
死、抑圧、絶望、罪悪、負け、恐怖。
黒い影にハラワタをとられ、ゆっくり死んでいく人間の絶望。
子供を目の前で殺された母親の悲しみ。
子供を殺した人間を殺す母親の憎しみ。
繰り返される破壊と抑圧。罪と罰。
不実の罪で死ぬ青年。
助けた少年に殺される老人。
一歩動けば死ぬ恐怖。生きたまま焼かれるモノたち。
苦痛と悲痛。呪いの言葉は尽きることがなく、喉が潰れても眼は訴える。眼が潰れても、訴える。死んだとしても、訴える。
――憎い。
暗闇に血走った瞳が浮かび上がる。
何故、自分だけ。
何故、お前だけ。
憎しみと嫉妬、戦争と平和。生きるための本能と理性。
弱肉強食、因果応報、自業自得。
全ては絡み合うが、今のこの世界では、やがて一つに集約される。
――憎い。
暗闇の中に、乾いた血のような色で浮かび上がる。
――憎い。
それはこの世全ての悪と憎しみと呪い。
言葉ではない、魂に直接届くもの。
暗闇に浮かび上がった顔。
――憎い。
顔、顔、顔、顔。
シラセは頭を抱えてその場に座り込む。
暗闇にずらりとならんだ顔が絶叫をあげると同時に
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
ソウは黒い霧になって消えた。
本人にも正体の解らないストレスは解消された。
思考がクリアになり、自分の行動や感情に今更ながら驚くのはシラセである。
――あからさまな憎しみの感情。
それは無理もなかった。
世界は今や黒い影が満ちている。
世界の色は「黒」なのである。
その世界の力を、大量に自分を通して使えば、世界の色に染まってしまうのは道理。
世界の意志に、個人の意志が敵うはずがないのだ。
世界の色に、個人の色は塗りつぶされるのみなのだ。
様々な場所で起こった人間、動物、植物、全ての物体の悲劇と死。
――それは放つ。「黒」を。
憎しみの色で満ちている世界。
死、抑圧、絶望、罪悪、負け、恐怖。
黒い影にハラワタをとられ、ゆっくり死んでいく人間の絶望。
子供を目の前で殺された母親の悲しみ。
子供を殺した人間を殺す母親の憎しみ。
繰り返される破壊と抑圧。罪と罰。
不実の罪で死ぬ青年。
助けた少年に殺される老人。
一歩動けば死ぬ恐怖。生きたまま焼かれるモノたち。
苦痛と悲痛。呪いの言葉は尽きることがなく、喉が潰れても眼は訴える。眼が潰れても、訴える。死んだとしても、訴える。
――憎い。
暗闇に血走った瞳が浮かび上がる。
何故、自分だけ。
何故、お前だけ。
憎しみと嫉妬、戦争と平和。生きるための本能と理性。
弱肉強食、因果応報、自業自得。
全ては絡み合うが、今のこの世界では、やがて一つに集約される。
――憎い。
暗闇の中に、乾いた血のような色で浮かび上がる。
――憎い。
それはこの世全ての悪と憎しみと呪い。
言葉ではない、魂に直接届くもの。
暗闇に浮かび上がった顔。
――憎い。
顔、顔、顔、顔。
シラセは頭を抱えてその場に座り込む。
暗闇にずらりとならんだ顔が絶叫をあげると同時に
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」
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