73、最後 【さいご】 6/16分
2006年6月15日 100題 ――死力 意味:命を捨ててもよい、という覚悟で出す力。必死の力。
・真回宗 最後
私を殺そうとしている敵は、死力を尽くしているのだろう。
だが、生きている人間の死力など、死んでいる人間の死力に敵う筈がない。
イノチを捨てても良い覚悟など、私はとうの昔にできていて、とうの昔に証明しているのだから。
頭のカタチは既に潰れていたが、どうということもない。
抑えられていない右腕で敵の胸を貫けば、終わりである。
――そこで私は自分の愚かさを知った。
頭、五感をほとんど潰された私は、それを第六感で感じた。
――時を与えすぎたか。
敵(キバ)の攻撃はふとなくなったが、
私は自身の敗北を知る。
そこに敗北感はなく、
解放感だけがあった。
――いつから私は、何かを成し遂げるために、命を捨てる覚悟を、なくしてしまったのだろう。
それがソウの最後の思考となった。
・真回宗 最後
私を殺そうとしている敵は、死力を尽くしているのだろう。
だが、生きている人間の死力など、死んでいる人間の死力に敵う筈がない。
イノチを捨てても良い覚悟など、私はとうの昔にできていて、とうの昔に証明しているのだから。
頭のカタチは既に潰れていたが、どうということもない。
抑えられていない右腕で敵の胸を貫けば、終わりである。
――そこで私は自分の愚かさを知った。
頭、五感をほとんど潰された私は、それを第六感で感じた。
――時を与えすぎたか。
敵(キバ)の攻撃はふとなくなったが、
私は自身の敗北を知る。
そこに敗北感はなく、
解放感だけがあった。
――いつから私は、何かを成し遂げるために、命を捨てる覚悟を、なくしてしまったのだろう。
それがソウの最後の思考となった。
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