・高橋秋

 やばい。

 シラセは死んだ。常識はそう告げているが、青い眼はシラセが生きていると告げる。生きている、いや、まだ存在している。
 しかし、やばいのには変わりがない。ヒビだらけで今にも壊れそうな状態。限りなく漏れ出る力。でも今にも破裂しそう。
 何故ソウが、シラセの壊れる直前で攻撃を止めたのかはわからない。だが、この機会を逃せば。

 シラセ死ぬ
 ↓
 俺たち全滅

 ……阻止、せねば。
 しかしそんな解りきったことは、

 俺、飛び出す
 ↓
 ソウに殺される

 という、もっと解りきったことになるという見解に一考させられることになる。冷静に考えれば、無理だ。確率的に、こっちの方が高い。
 青だろ、俺は、クールだろ、俺は。

 ――その一考がなかった姉は、既に飛び出していた。

 ――間に合わない。

 姉は決して頭が悪いわけではない。だから、敵わないと知って敵に挑むことはない。でも、姉は今、俺の腕の届かないところまで行ってしまっていた。

 オブジェを眺めていたソウは、最早普通の人間は眼中にないのか、背後から襲う姉の方を見ず、腕を上げて迎撃体制をとる。

 黒いものが姉を貫くイメージ。

 ――扉、開けないと。

コメント

痺れ武蔵
痺れ武蔵
2006年6月11日11:51

ちょww

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