・黒(真回宗)
驚いた。
起動直前でこの戦闘能力。
-ヤツの拳は確実にワレのカラダを削った
右胸部分、消失、再生。敵、右眼削。右腕削。左足削。
左腕部分、消失、再生。敵、右目再生、右腕再生。右腕部分、再消失。敵、右腕削、右わき腹削、左肩削、左足部分、弱体、出力下。敵――ウム、スバラシイ-
ソウは流れるように力の配置を変える。
敵の二手先を読み、フェイントとカウンターを組み合わせる。
複雑化していく闘い。
敵も自分も常に学ぶ。敵の特性、自分の特性、つまり癖。
闘いはパズルのようだと思う。物凄く面白いパズルだ。
思考する余裕があるソウ。
――シラセの再生能力はまだまだ拙い。
シラセはまだ胸に穴が開いたままだった。二人は人間ではないが、人間である。ある程度の臓器や骨、血液、人間として生きる要素がなくても力で動けるし、存在できる。だが、やはりカタチだけでも人間としての肉体は、あるに越したことはない。
理解者(ソウやシラセのような人のこと)が一度の攻撃で放つために使用する力を1とする。これは肉体が完全な状態(人間として)での数値だが、理解者は肉体が多少欠けていても、無理矢理動ける(思考を現実にできる)。心臓がなくても、脳がなくても、死んでいても、世界の力を借りて、意志のみで攻撃を放てる。それは両腕がなくてもパンチを放てるという事だ。
もちろん、それはあってはならないこと。矛盾だ。世界との摩擦が起きて消費される力が膨れ上がる。矛盾が深まるごとに、パンチ一回だけでも10、20と力の消費量は増えていく。闘いではそれを一瞬で何発も放つのだ。消費量は半端ではなくなる。
対して再生に使う力は部分や度合いにもよるが、完璧に再生しても精々2〜5の消費量である。闘いの最中で再生をできるかどうかは別にしてだが。
――効率よく闘うためにはいかに矛盾なく闘うかが重要なのだ。
ちなみに世界との摩擦を直すために使われるのは、主に世界の力である。これもまた矛盾だが、元々この世界は狂っている。
今、シラセは矛盾だらけだった。胸に穴が空いたまま、カラダの所々が削れたまま、死にながら闘っている。矛盾はどんどん大きくなる。それを力で修正しながら闘っているシラセは、まだ再生のコツを掴めていなかった。攻撃を止めて再生に専念するなど愚行。危ない橋ではなく確実に落ちる橋。
しかしシラセの矛盾は、既に橋を傾けていた。
シラセの腕が落ちた。シラセは再生を完璧にできず、矛盾した白い物体でソウを攻撃する。
その攻撃は世界との摩擦によって少しだけ速度が落ちた。それでおしまいだ。
――ソウの拳の嵐。
ずずずと、シラセのカラダ中に穴が空く。ぼとぼととカラダのカケラが棒状になって背中から落ちる。シラセの白い物体と、残っていた赤い液体は、交じって幻想的な色を作り出したがソウには関係がない。
――頭を一撃で破壊する。
シラセの頭はパァン、と花火のように弾けた。これでシラセのかろうじて残っていた人間の部分が綺麗になくなった。首がなく体中穴だらけのシラセは奇怪なオブジェのようだった。
驚いた。
起動直前でこの戦闘能力。
-ヤツの拳は確実にワレのカラダを削った
右胸部分、消失、再生。敵、右眼削。右腕削。左足削。
左腕部分、消失、再生。敵、右目再生、右腕再生。右腕部分、再消失。敵、右腕削、右わき腹削、左肩削、左足部分、弱体、出力下。敵――ウム、スバラシイ-
ソウは流れるように力の配置を変える。
敵の二手先を読み、フェイントとカウンターを組み合わせる。
複雑化していく闘い。
敵も自分も常に学ぶ。敵の特性、自分の特性、つまり癖。
闘いはパズルのようだと思う。物凄く面白いパズルだ。
思考する余裕があるソウ。
――シラセの再生能力はまだまだ拙い。
シラセはまだ胸に穴が開いたままだった。二人は人間ではないが、人間である。ある程度の臓器や骨、血液、人間として生きる要素がなくても力で動けるし、存在できる。だが、やはりカタチだけでも人間としての肉体は、あるに越したことはない。
理解者(ソウやシラセのような人のこと)が一度の攻撃で放つために使用する力を1とする。これは肉体が完全な状態(人間として)での数値だが、理解者は肉体が多少欠けていても、無理矢理動ける(思考を現実にできる)。心臓がなくても、脳がなくても、死んでいても、世界の力を借りて、意志のみで攻撃を放てる。それは両腕がなくてもパンチを放てるという事だ。
もちろん、それはあってはならないこと。矛盾だ。世界との摩擦が起きて消費される力が膨れ上がる。矛盾が深まるごとに、パンチ一回だけでも10、20と力の消費量は増えていく。闘いではそれを一瞬で何発も放つのだ。消費量は半端ではなくなる。
対して再生に使う力は部分や度合いにもよるが、完璧に再生しても精々2〜5の消費量である。闘いの最中で再生をできるかどうかは別にしてだが。
――効率よく闘うためにはいかに矛盾なく闘うかが重要なのだ。
ちなみに世界との摩擦を直すために使われるのは、主に世界の力である。これもまた矛盾だが、元々この世界は狂っている。
今、シラセは矛盾だらけだった。胸に穴が空いたまま、カラダの所々が削れたまま、死にながら闘っている。矛盾はどんどん大きくなる。それを力で修正しながら闘っているシラセは、まだ再生のコツを掴めていなかった。攻撃を止めて再生に専念するなど愚行。危ない橋ではなく確実に落ちる橋。
しかしシラセの矛盾は、既に橋を傾けていた。
シラセの腕が落ちた。シラセは再生を完璧にできず、矛盾した白い物体でソウを攻撃する。
その攻撃は世界との摩擦によって少しだけ速度が落ちた。それでおしまいだ。
――ソウの拳の嵐。
ずずずと、シラセのカラダ中に穴が空く。ぼとぼととカラダのカケラが棒状になって背中から落ちる。シラセの白い物体と、残っていた赤い液体は、交じって幻想的な色を作り出したがソウには関係がない。
――頭を一撃で破壊する。
シラセの頭はパァン、と花火のように弾けた。これでシラセのかろうじて残っていた人間の部分が綺麗になくなった。首がなく体中穴だらけのシラセは奇怪なオブジェのようだった。
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