59、あの日 【あのひ】
2006年6月3日 100題 渦巻く大気。
あまりの落下速度に高熱を帯びた僕の一撃は。
先ほどのクレーターをさらに大きくしただけだった。
その衝撃はカラダ全体に響いたが、
最早人ではないカラダを気遣う必要はない。
砂煙はやはり風圧ですぐに晴れる。
攻撃を外した原因はわかっている。大振りすぎた。
いつのまにかクレーターの外に移動していたソウは、おかしなカタチに曲がった首と腕を支えながら、大笑いしだした。
「はははははは! あハハハああハハ!」
ああ、いらないな。
この、異常な世界に、
人間の思考、理性はいらない。
化け物同士の戦いだ。
お互い、委ねようか。
「はは……ははは」
僕も。
自然と、笑いが漏れた。
同時に、吐血した。
胸の傷より右腕の再生を優先した所為か、胸には大きな穴が空いたままだった。
「ハハハハハ!」
血を吐きながら笑う。狂った道化の僕。
血はまだ赤い。それが不思議でたまらない。
――まるで人間みたいだ。と他人事のように思う。
僕の胸には穴が空いたままだ。
あの日世界が壊れたとき、
ボクも一緒に壊れたのかもしれない。
――――思考、停止。
あまりの落下速度に高熱を帯びた僕の一撃は。
先ほどのクレーターをさらに大きくしただけだった。
その衝撃はカラダ全体に響いたが、
最早人ではないカラダを気遣う必要はない。
砂煙はやはり風圧ですぐに晴れる。
攻撃を外した原因はわかっている。大振りすぎた。
いつのまにかクレーターの外に移動していたソウは、おかしなカタチに曲がった首と腕を支えながら、大笑いしだした。
「はははははは! あハハハああハハ!」
ああ、いらないな。
この、異常な世界に、
人間の思考、理性はいらない。
化け物同士の戦いだ。
お互い、委ねようか。
「はは……ははは」
僕も。
自然と、笑いが漏れた。
同時に、吐血した。
胸の傷より右腕の再生を優先した所為か、胸には大きな穴が空いたままだった。
「ハハハハハ!」
血を吐きながら笑う。狂った道化の僕。
血はまだ赤い。それが不思議でたまらない。
――まるで人間みたいだ。と他人事のように思う。
僕の胸には穴が空いたままだ。
あの日世界が壊れたとき、
ボクも一緒に壊れたのかもしれない。
――――思考、停止。
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