・真回宗
それは小さいことだ。
しかし、ソウは赤の始末をしばし忘れた。
ソウのあってないような心にさざなみが立つ。
ソウの左眼には石が減り込んでいた。
狙い澄まされたような石の投擲。神業か、奇跡か。投擲者は何十メートルも離れた場所から石を投げ、ソウの眼に当てた。あり得ないことである。
同時に、(本当に狙ったとしたなら?) ソウは投擲者に興味を持った。これは早々に赤を始末する必要が……。
「姉さん!」
投擲者(弟)の「声」は音速で放たれ、サエの耳に届いた。声に反応し、サエの体はビクリと大きく震えた。
少し遅れてソウの右眼には二発目の石が減り込む。さらにソウは、胸をサエの赤の足、しかも渾身で蹴られた。ありえない回転で
ふっとんでいくソウ。
少々、むごかった。
ビル内に響くサエの声。
「『姉さん』だと! 『姉』と呼べ!」
張り詰められていた何かは切れていた。
再びサエの時間は動き出した。
そしてサエはもう一言。
「寒気がする!」
辛辣である。
それは小さいことだ。
しかし、ソウは赤の始末をしばし忘れた。
ソウのあってないような心にさざなみが立つ。
ソウの左眼には石が減り込んでいた。
狙い澄まされたような石の投擲。神業か、奇跡か。投擲者は何十メートルも離れた場所から石を投げ、ソウの眼に当てた。あり得ないことである。
同時に、(本当に狙ったとしたなら?) ソウは投擲者に興味を持った。これは早々に赤を始末する必要が……。
「姉さん!」
投擲者(弟)の「声」は音速で放たれ、サエの耳に届いた。声に反応し、サエの体はビクリと大きく震えた。
少し遅れてソウの右眼には二発目の石が減り込む。さらにソウは、胸をサエの赤の足、しかも渾身で蹴られた。ありえない回転で
ふっとんでいくソウ。
少々、むごかった。
ビル内に響くサエの声。
「『姉さん』だと! 『姉』と呼べ!」
張り詰められていた何かは切れていた。
再びサエの時間は動き出した。
そしてサエはもう一言。
「寒気がする!」
辛辣である。
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