……

一難去ってまた一難。
しかし今度の一難は……

どうしようもないのでは?

腹部に重い一撃を喰らったシュウさんは、そこで意識が飛んだようだ。
シュウさんは初老の男性の拳にもたれかかるようにして、ゆっくりと倒れた。
同時に、物凄い風圧を感じた気がした。
実際その日は無風で、その圧は初老の男性の殺気だということがゆっくりわかった。

「君は……少しは歯応えがあるのかな……?」

深く考えている暇はなかった。
少しうつむき気味で僕を睨む初老の男性の顔は陰っていた。
が、眼だけは鋭く光を放っている。
野性の眼。
口元には笑みを浮かべていた。

体が思うように動かない。
動け! 動け!

「ん?」

ふと、初老の男性の眼から鋭さが消えた。
好機であると感じるまえに、物凄い数の気配の蠢きを感じた。
何の前触れもなく、状況がさらに悪化した。
いつのまにか軽く百を超える数の黒い影が僕達を包囲していた。

……いつか見た光景。
しかも数はその時のおよそ3倍か。

今度は本当に死ぬかもしれない。

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