青と赤の物語

2006年3月7日
前回のあらすじ

神保と青木がごっちゃ。

つまりは赤と青の絵の具だ。
最初ははっきり分かれていたものが混ぜるうちに青と赤の境界がなくなり紫になる。
今までは神保としての記憶が強かったのか、神保として生きてきたが、青木の心が何処かに反映されていたのかもしれない。
10年その事に気付かなかった自分はどれだけ阿呆なのだろう。
だが、瞬間で全てを理解して今の僕、私、俺は、俺は。
紫色。つまり別の存在になった。

つまり何者でもなくなった。

動き出した時間。現実に戻る。

青木が死んだのか、神保が死んだのか。

どうでもよかった

在るのは俺という存在。

鋭利な魂をかかげた人形から魂を抜き取り、潰した。
自分が青木という魂を持っていたなら、きっと悲鳴をあげただろう。
だが、自分は青木ではない。
10年間屋敷を支配し続けてきた青木の兄人形の魂はあっけなく消え去った。

さあ、何処へ行こうか。
家に帰るのもいい。誰も待っていない家へ。
仕事に行くのもいい。誰かと出会うのもいい。
まずは自分を確認するのだ。

存在証明の旅へ。

だが、自分は神保ではないから。

まずは名前を決めないといけないな。

名無しではちと困る。

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