あらすじ

グレーワールド:青木家長男(青木コウ)は、小学生時代、空想兄人形(青木カズキ)を作る。その後……不明。

ブルーワールド:両親行方不明、微妙な家庭環境の(神保ソウキ)は(青木コウ)と友達になるが、事故によりコウ君が死亡。
その後、ソウキ君は青の眼を得る。さらに10年後、ソウキ君は青木家屋敷前に立っていた。

行き当たりばったりの空想日記はどうなるのか。

アバウトブルーアイ

この世界に本当であるものはありません。
確かなものはありません。
真実はありません。

鏡をみてください。
映っているのは、本当に貴方ですか。
本当に、そうですか?

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私こと、神保ソウキは遺言を書くことにした。
今から青木家の屋敷に入るのだが、生きて帰れる確立を冷静に計算してみると、25から30%だった。
現在親族が0人という超天涯孤独の私には必要ないものかもしれないが、

『探さないで下さい』

と。
なんだか本当の遺書っぽくなってしまったがこれでいい。
自分がここに居たという証を門の前に置く。
きっと誰かがこれを見て、
(え、誰かが自殺を!)
と驚いてくれるに違いない。

……いや、タチの悪いイタズラだと無視されるだろう、わかってる。

馬鹿な行動や思考をしているのは、時間稼ぎだ。
それも、わかっている。

……入ろう。
青木コウを殺した罪滅ぼし、だ。
いや、私が死んだ罪滅ぼしだ。

……? 私は死んだのだろうか。
いや、今生きているのだから死んだはずはない。
そして私が死んだとしても私が私に対して罪滅ぼしをする必要はない。

……また時間稼ぎをしてしまった。
こんなに弱い心で、ごめんな、青木。
心の中で謝る。

屋敷の門、玄関ともに鍵はかかっていなかった。
すんなりと屋敷内に不法侵入することができた。
屋敷の中は昼なのに薄暗く、ホコリが高価そうな絵画、壷、人形等の上に積もっていた。
窓のガラスはひとつも割れていない。
門、玄関の鍵は開けっ放しだったのに、何かが盗まれた様子もない。
雨にも負けず、風にも負けず、人、動物を近づけず、静かに時が流れた屋敷……か。
まぁこんなドス青いオーラを出している屋敷は台風だろうが大泥棒だろうがライオンだろうが寄せ付けないだろう。

……未だ青の右眼は濃い青に染まっていて使えない状態だ。
つまり、本来普通の人である私が唯一持っている普通の人とは違う部分が、使えない。

それ
即ち
死に
直結!

青の眼が視れるのは「記憶」と「行末」だった。
記憶が視れるのはそう大したことではない。
視れる人も結構いる。(この業界ではだが)
しかし、私の青の眼のもうひとつの能力、「行末」は未来を見ることも可能だ! ったらいいなー……。
残念ながら、この世界に未来を視れる人などいない。
青の眼の「行末」能力は無意識下で周りの状況、物の記憶等(自分でもわからないほどたくさん)を認識、それぞれ比較検証暗算することにより、最も可能性の高い「少し先」をみせてくれるというのが正体だ。
あくまでそうなる可能性であって、絶対ではない。
が、的中率が「もはやこれは未来です」と言ってもいいほどで、占い屋に転職しようかと思ったぐらいである。
が、本当に「少し先」までしか視れないのでやめた。
視れたとしても少し先に起こってしまうので、状況を変えるのが困難だった。

ちなみに「青」、はその「場所」にある「記憶」に色づけしたもので、青ければ青いほど異常で、青が薄くなれば薄くなるほど平常である。
基準はよくわからない。
ということでこのドス青に染まったこの屋敷の記憶は物凄く異常であることがわかる。
そんな場所は大抵今でも異常だ。
異常な場所が正常な記憶を持てば、だんだん異常な記憶は薄くなっていく。
つまり青に白が混ざる。
が、この屋敷は10年間ずっと異常が続いていたようだ。
正常という白が一度も混ざったことがない、青の中の青を突破した青という感じだ。

これは、やばい。
青の眼の利点(当社比)は、
一、危険な場所の回避
二、危険な未来の回避、だ。

一、危険な場所の回避は、めっちゃ青い場所=危険な場所という私の経験上得た式によって行動すれば、危険を回避できるというものだ。
つまりめっちゃ青い場所を避けて歩けば、怪我事故なく健康に生きられるという寸法なのだが、この屋敷自体がドス青いのでどうしようもない。この屋敷事態が危険なのだ。
二、の危険な未来の回避は、今まで試したことがない。
危険な場所を避けてきたのだから、危険な未来自体を視た事がないのだ。
つまり、今回初。どうなるか楽しみである。

コメント

ザクロ
ザクロ
2006年1月24日23:19

ものすごくおもしろいので続いてください

平田
平田
2006年1月29日22:36

イエッサー

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