後ろ向き日記

2004年11月11日
11/11 (木曜日) 晴れのち曇り

2週間後世界が終わる。

人間がいなくなるのではない。

世界そのものがなくなる。





僕は普通の高校生だ。
勉強も、運動も、そこそこできる。
そのうち大学にでも行って、普通の会社に就職していただろう。

世界の終わりが来なければ。

既に学校は避難所と化していた。
肌寒い冬に、電気もガスも政府もなくなった都市で……
僕らは、学校の校庭の中央で枯れた木の枝を燃やし、暖をとっている。

道路には空き缶やビニール袋が転がり、
光がない信号機はまるで死んでいるようだ。

車は一台も走っていない。
何処へ車を走らせようとも、世界の終わりはやってくる。
ガソリンは暖をとるのに使ったほうがいい。

お昼過ぎで日は高く上っているけど、
時々、日は雲に隠れて辺りは暗くなる。

数週間前までは五月蝿かったこの都市は、
今はとても静かで……

風の吹き抜ける音が聞こえた。

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